昔のテレビはこんなにも自由だったのか!4月16日にスタートした新番組「石橋貴明のたいむとんねる」(フジテレビ系)で明かされた80年代のテレビ事情に、現代のテレビマンが驚いているという。初回の放送では「イケイケだった80年代テレビ業界」と題し、84年デビューの工藤静香をゲストにとんねるずの石橋貴明が当時のテレビ業界を振り返る企画を放送。当時を知るテレビマンが懐かしそうに語る。
「まずはテレビ局の駐車場事情。97年までフジテレビが東京都新宿区の河田町に本社を置いていた時代には、プロデューサーやディレクターのベンツやBMWがうようよと局の駐車場に停められていて、タレントより社員がいい車に乗っていたそうです。ここで石橋が、現在では局の駐車場に社員が車を止められないというと、工藤は『えーっ!?』と目を白黒させていました。ただ今時のテレビマンなら、昔は社員が車通勤していたことのほうに驚いたことでしょう」
その河田町時代にはテレビ局のセキュリティ意識が低く、ほぼ誰でも自由に出入りできたという。一般人でも「バイトです」などと告げるだけで局内に入れたというのだ。
「そんなフリーパス状態だったため、石橋はTBSの正面玄関に置かれていたグランドピアノが盗まれたとのエピソードも披露。『けっこう有名な話』と前置きしつつ、3人ほどの犯人が堂々とピアノを押して運び出したのだそうです」(前出・テレビマン)
そして石橋自身が当時、現代では考えられない蛮行を働いていたシーンも放送された。当時を知るテレビマンが続ける。
「工藤が『おニャン子クラブ』の一員として出演していたバラエティ番組の『夕やけニャンニャン』(フジ系)では、素人参加企画も多く、数十人の学生が収録に参加することも。そのVTRで石橋は学生たちを追いかけまわし、背後から飛び蹴りを食らわせていたのです。石橋といえば数千万円もするテレビカメラに飛びついて倒してしまい、壊したという蛮勇も知られていますが、実は人間にも飛びかかっていたわけですね」
現在なら一般人に暴行を働いたとして、石橋のみならずテレビ局側も謝罪に追い込まれないシーンだ。だがVTRを見る限り蹴られた学生側も楽しそうにしており、当時はそんなワチャワチャ感を制作側も視聴者側も大いに楽しんでいたのかもしれない。
(金田麻有)