とんねるず・石橋貴明の新番組「石橋貴明のたいむとんねる」(フジテレビ系)が4月16日にスタート。初回放送ではかつて同局の「夕やけニャンニャン」で共演した工藤静香をゲストに迎え、1980年代のテレビ業界を懐かしんだ。今回の放送では「夕やけニャンニャン」をはじめ、80年台の芸能人水泳大会や歌番組のVTRが次々と登場。工藤が「おニャン子クラブ」に加入する前に所属していた「セブンティーンクラブ」時代のお宝映像も流れるなど、ノスタルジーにあふれる30分となった。
放送前には「石橋にトーク番組が務まるのか?」という疑念の声も少なくなかったが、放送後には石橋が司会を務めていた音楽番組「うたばん」(TBS系)になぞらえ、「これは歌のない『うたばん』だ!」といった好意的な声も。その評価に貢献した要素についてテレビ誌のライターが指摘する。
「番組がうまく回っていたのは、石橋のサポートを務めるミッツ・マングローブのおかげでしょう。普段は辛口コメントの多いミッツですが、この番組では自分の主張は控えて進行役に徹することで、脱線しがちな石橋をうまくコントロールしていたようです。75年生まれのミッツは43歳で、56歳の石橋とはほぼ一回り違い。サポート役として老けすぎず若すぎず、85年スタートの『夕やけニャンニャン』もぎりぎりリアルタイムで観ていた世代なので、80年代に活躍した芸能人に話を合わせながらトークを引き出すにはピッタリです。しかも普段はその博識ぶりや英語に堪能なキャラでも知られますが、今回はあえてその面を抑えていたのも正解でしょう」
そのミッツは今回、80年代に一世を風靡した「セーラーズ」のジャンパーで登場。セーラーズはおニャン子クラブの衣装に採用されたことがきっかけで人気が爆発したブランドで、それを若いアシスタントが着用していたらマネキン代わりにしかならないはずだ。それがミッツなら世代的に不自然さもなく、番組に彩りを与えることに成功していた。
「ミッツは183センチの長身で、普段は辛口コメントも相まって威圧的にさえ感じられることも。それがこの番組では石橋も182センチあるため、バランスが取れているのです。スタジオではラウンジ風の半円型ソファーに3人が並んで座る形になり、石橋とミッツの背丈がそろっていることも絵面の良さに繋がっていました」(前出・テレビ誌ライター)
そんなミッツだが、今回の放送では工藤と石橋が盛り上がっていた“ヨンフォア”こと中型バイク「ホンダ CB400FOUR」の話題についていけない場面も。博識キャラながらバイクには弱いという意外な一面も見せていた。そんな場面でもトークの流れを切らずに進行していたあたりはさすが。今後もゲストに応じて流麗な仕切りぶりを発揮してくれそうだ。
(金田麻有)