作品には罪がない。こんなひと言が、熱烈ファンや版元側のタテマエ?
昨年11月、小学生ら児童のいかがわしい写真などを保持していたことで書類送検された、人気コミック「るろうに剣心」の作者・和月伸宏氏。事件を受け、ジャンプスクエア(集英社)に連載中だった「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚・北海道編-」は連載休止に。一部に惜しむ声がある中、このまま連載終了の噂も流れていた。しかしこの4月23日、編集部が6月4日発売のジャンプスクエア7月号から「北海道編」の連載を再開すると発表。このニュースに、ネット上でも複雑な声が飛び交っている。
「未成年を対象としたいかがわしい写真やDVDの保持が取り沙汰されると、和月氏本人は12歳~14歳が好きでたまらないと、ちょっとツッコミようのない不道徳な嗜好を告白。るろうにファンだけでなく、世間も大いに驚かせました。ですから、すぐの復帰は難しいという印象でしたね。それがたったの半年での復帰報道ですから賛否が出るのも当然でしょう。集英社側は『作家は現在も反省と悔悟の日々を送っております』とコメントを出し、世間の許しを請う形を取っていますが、ネット上でも批判されている“人気コンテンツゆえの優遇”という批判はもっともな気がします」(エンタメ誌記者)
賛否飛び交うネット上を見ていくと、復活を喜ぶ人たちからは「作品には罪がない」「性的嗜好は人それぞれ」「少女に手を出したわけじゃない」「汚名返上のつもりで頑張ってください」という擁護の声がある一方で、「女の子に手を出したわけじゃなくても、写真やDVDの少女は絶対に被害者なんだから」と、罪を許さないという強い声をはじめとして、「再開されても心の準備ができてない」「映画化とかいろいろ中断されて困ってただけでしょ?」「儲かるは正義。作者も出版社もクソだな」など、再開後もしばらくは賛否があふれそうなムードが漂っている。
児童ポルノの問題はもちろん、官僚の辞意を誘発した問題など、日本は女性に対してハラスメント大国と世界中で報道されている中、人気コミックの早々の復帰をどれだけ世間が歓迎してくれるのか、ぜひ注目していきたい。
(小机かをる)