キャディ役を買って出た宮里藍の行動に、東京五輪の関係者は「断られるかも…」と顔をしかめていた。
海外メジャー今季初戦・マスターズで、宮里藍が兄・優作のキャディ役を務めた。昨シーズンで現役を引退し、表舞台に登場したのは昨年5月の引退会見以来となる。当然、日米のゴルフ取材陣は兄・優作以上に、彼女を追いかけた。
「同じくツアーに参戦していた小平智のキャディ役は、夫人で08年賞金女王の古閑美保でした。宮里は報道陣の要請で4人並んでの記念撮影にも応じていました」(専門誌記者)
そんな宮里は引退会見以降、人目を避けてきた。実父の看病もあったが、今後、何をやっていくのか、決めかねているようだった。兄のキャディ役だが、騒ぎになるのはわかっていたはず。それでもあえて買って出たとのことだから、何かしらの目的もあったのだろう。
「男子プロで石川遼が日本ゴルフツアー機構の副会長になったように、ゴルフ界全体が人気低迷の危機にあります。宮里があえて『客寄せパンダ』になったのは、こうした現状を改善するためで、かといって、頻繁にキャディをやることもないようです」(関係者)
国内ツアーの関係者は宮里のキャディ再登場に期待しているが、それもかないそうにない。「気が向いた時に」のレベルなのは、引退の引き金にもなった闘争心の喪失だという。「勝ちたい」のモチベーションが上がらない以上、コーチもできないというのが宮里側の言い分だ。気さくに記念写真に応じたのは、「和気あいあいとした雰囲気」に酔いしれていた、ということかもしれない。
(スポーツライター・飯山満)