“日本最速男・桐生祥秀”も、大阪にお引っ越し? 現在建設中の新国立競技場は東京五輪の終了後、サッカーとラグビーの専用グラウンドとなる。「収益性に難アリ」と判断されたからだが、陸上関係者は、
「駒沢陸上競技場と味の素スタジアムを本当に確保できるのか?」
と懸念していた。
「駒沢(世田谷区)、味の素(調布市)は五輪会場となります。しかし、東京五輪終了後も陸上の国際大会を東京都内で開催するのならば、そのどちらかを改造してもらわなければなりません」(体協詰め記者)
現時点では、その約束は取り付けていない。しかし、東京以外の陸連組織は「大阪があるんじゃないか?」と、別の見方をしていた。
「長居競技場(大阪市)があるじゃないか。長居のメインスタジアムは5万人の収容も可能で、伊丹と関西の2つの空港が使える。新大阪からも電車で30分ほど。五輪後の改修工事をアテにしないで済むしね」(関係者)
そうなると、100メートルの日本記録保持者である桐生は大阪を練習の拠点としなければならない。もっとも、桐生の日本記録9.98秒は福井市で生まれている。200メートル、400メートルも地方会場であり、東京脱出はむしろ好都合かもしれない。
「大学卒業後も練習の拠点を東洋大学にするため、桐生は日本生命に就職したんです。東洋大にこだわるのは名コーチがいることと、国立競技場が陸上の聖地だからです」(前出・体協詰め記者)
東京五輪の会場建設費が「高すぎる」と問題になってきた。改修工事の必要のない長居が新たな陸上の聖地となれば、桐生も東京にしがみつく理由もなくなる。滋賀県の出身でもあるだけに、勝利インタビューで関西弁を話す場面も見られるかもしれない。
(スポーツライター・飯山満)