巨人戦3カード連続での負け越し。金本知憲監督は厳しい表情を浮かべていたが、阪神は、それ以上の屈辱にも耐えなければならないようだ。
「親会社である阪急阪神ホールディングス株式会社の株主総会が6月に行われます。今の打撃成績では株主からの非難も免れません。金本監督の『天敵』の復帰を望む意見も出るかもしれませんね」(在阪記者)
5月22日現在、チーム打率2割2分5厘は、リーグワースト。本塁打22本、打点122も同様で、昨季までは「投手力に難アリ」だったが、今年は正反対となってしまった。前兆はあった。オープン戦を2勝12敗2分けと12球団ワーストで終え、チーム打率が2割2分5厘と低迷した。その原因は若手の伸び悩みと指摘されたが、こんな声も聞かれた。
「金本監督になって、頭角を現した若手が2年続けて活躍できないんです。高山、北條、中谷、原口、大山…。指導内容にも原因があるのではないか、と」(前出・在阪記者)
若手野手の打撃開花は、昨季まで二軍監督を務めていた掛布雅之氏によるものだった。しかし、金本監督と育成に関する意見衝突があったとされ、経営陣はオーナー付シニア・エグゼクティブ・アドバイザーとして掛布氏をフロント入りさせたが、若手がここまで打てないとなれば、話は違ってくる。
「経営陣は、この2年間、株主総会でタイガース批判の意見が出なくなり、安堵していましたが…。ただ、掛布氏の今の肩書からして、オーナーと直接話ができます。そして、そのあたりのことは、金本監督も気にしています」(球界関係者)
もし、意見衝突した掛布氏を呼び戻すことになれば、金本監督は過去2年間の指導を否定されたも同然。リーグワーストの打撃陣、伸び悩んでいる若手の現状は、“トラのお家騒動”にさえ発展しかねない状況なのだ。
(スポーツライター・飯山満)