メシさえ食わなきゃ痩せられる‥‥。だが、極端な食事制限に短期的な効果はあるが、リバウンドを招くばかりか、健康を害する危険性もある。そこで、無理なく継続できる食生活改善として注目されているのが「腸活」。第一人者の順天堂大学医学部教授・小林弘幸氏にレクチャーしてもらおう。
「長年の不摂生が積もって腸は劣化します。太っている人は腸内環境が悪いという研究報告がありますが、腸内環境が悪化すると、硫化水素やアンモニアという毒素が発生し、栄養分がうまく吸収できずに、行き場を失った栄養が内臓脂肪や皮下脂肪に蓄積されてしまう。中年太りを撃退するには、腸内環境を整えることが大切です。腸内環境を整えることで3キロほど自然に痩せることができます」
腸の状態のセルフチェックとしては、下痢や便秘が続く、オナラが臭い、などがあげられるという。少しでも心当たりがある場合は、腸を正常化させたいところ。しかも、最初のステップはチョー簡単なのだ。
「朝目覚めたら、コップ1杯程度の水(200~250ml)を飲んでください。この時、胃腸の蠕動運動を促すために、ちびちび飲むのではなく、一気に飲み干すことが重要です。起き抜けだと、腸はまだ動いていない状態ですが、水を飲むことで腸を目覚めさせます。水の重みが加わることで、腸が刺激され、便意も誘発されます。規則正しい排便は、腸の状態を改善する第一歩なのです。これからの時期は寝ている間に大量の汗をかくため、水分補給という観点からも大事です」
水を飲んだら、次は朝食になる。最近では、メタボ解消に炭水化物を控える人も多いが‥‥。
「炭水化物を抜く必要はありません。むしろ朝食はしっかりとるようにしましょう。白米も食べてかまいません。朝コップ1杯の水と同様に、朝食をとることで腸の蠕動運動を促し、排便をスムーズにします。健康的に痩せるための黄金比率は『朝食4:昼食2:夕食4』です。運動量が少ない中高年男性は腹八分目を心がけてほしい。そして、夕食は就寝の3時間前には済ませておくというのも肝要です。夜は腸も休ませなければなりませんからね」