列島を脅かす巨大地震は政争に明け暮れる、時の政権にも多大なプレッシャーを与えている。予期せぬ地殻変動で足元をグラつかされた安倍政権も、ついに崩壊に追い込まれる!?
政治部デスクが語る。
「今年9月の総裁選に向け、安倍晋三総理(63)が最も気にかけているのが、内閣支持率です」
一時は野党の追及が行き詰まったかに見えた“モリカケ問題”だが、今年に入り財務省による文書改竄という不祥事が発覚し、再燃した。4月中旬にNNNの調査では、支持率は危険水域の3割を大きく割る26.7%まで落ち込んだ。
「党内でも9月の総裁選までもたないと求心力が衰えたことで、安倍降ろしの流れとなったと思われたその土壇場で、まさかの米朝会談が実現した。拉致問題を抱える安倍政権へ期待が寄せられ人気回復となった」(政治部デスク)
最新の調査では、3カ月連続で下回っていた支持率が不支持率を上回るなど、復調の兆しを見せている。
そのやさき、大阪で地震が発生したのだった。
「官邸の対応はすばやいものだった。7時58分に発生した地震に対し、総理はわずか5分後の8時3分に緊急会見を開き、官邸に危機管理対策室を設置している。形ばかりとはいえ、非の打ちどころもない対応でした」(政治部デスク)
迅速対応には裏があるという。政治ジャーナリストが明かす。
「実は、永田町では大災害が発生すると政権が崩壊する事態に追い込まれるという、奇妙なジンクスがまことしやかにささやかれているのです」
実際、95年の阪神・淡路大震災では村山政権が、11年の東日本大震災では菅内閣が、いずれも1年前後の短命で退陣に追い込まれている。大地震と政権崩壊がみごとに符合するのだ。
「阪神・淡路は発生が6時前と早朝だったとはいえ、村山総理の事後対応は悲惨だった。即座に自衛隊へ要請をしないのは革新系の政党ではありがちですが、すばやく災害救助の指示を出していれば死傷者はより少なくなった。初動ミスの責任を問う声はいまだに根強い。また、原発事故の際にも『私は原発に詳しい』と震災翌日に現地に視察に入った菅総理はパフォーマンスと批判を浴びたが、実際に現場での指揮に混乱を来すことになった。結局、両政権は地震から半年足らずで退陣に追い込まれています」(政治ジャーナリスト)
今回の地震直後にも「地震は安倍のせい」など怒りの投稿がSNSで多数拡散されていたものだ。
「むろん自然災害へのやり場のない八つ当たりにすぎませんが、多くの被害、犠牲が伴う大災害では、時の政権の信頼を失うことに直結しかねないのです」(政治ジャーナリスト)
7月まで会期延長された国会では、モリカケ問題を追及する野党に「お手柔らかに」と逃げ切りを図る安倍総理だが、
「この秋にも日朝首脳会談の日程が現実味を帯びており、党内はすでに安倍続投で固まっている」(政治部デスク)
地震大国日本では、政治カレンダーを一挙に吹き飛ばす地雷が常に足元に埋まっていることを忘れてはならない。