学校や病院でレストランで集団感染が広がるノロウィルス。短期間で自然に治るとはいうものの、激しい嘔吐や下痢が続く。効果的なワクチンや薬はない今、予防に効果があるという食品が人気を呼んでいる。
先日テレビ番組で、ノロウイルス対策として“ラクトフェリン”が紹介された。その途端スーパーなどに消費者が殺到。棚からある商品が消えた。その商品というのが大手食品メーカーのラクトフェリン入りのヨーグルト。
「ラクトフェリンとは乳や、涙、唾液、血液などに存在する感染防御機能をもったタンパク質のこと」(日本ラクトフェリン学会)だが、このラクトフェリンがノロウイルス感染を予防する可能性があるという長崎大学・森内浩幸教授らの論文(「臨床とウィルス」37巻2号)が発表され一躍脚光を浴びた。
ラクトフェリンを含む食品の代表はチーズ。しかし、ラクトフェリンは熱に弱く、殺菌の過程で壊れてしまう。したがって、市販のチーズでラクトフェリンが含まれているのはナチュラルチーズだけなのだが、それでもごく微量。そこで研究開発が進められ、世界で初めて、ラクトフェリンを付加した食品として発売されたのが、前述のヨーグルトというわけだ。
その社では、ラクトフェリンの有効性を科学的にも分析しており、摂取頻度が多いほど効果的なことが分かった、とアピールもしている。
二枚貝を生で食べないことや、手洗いうがいくらいしか予防法がない今、試してみる価値はありそうだ。