ゴルフの祭典「マスターズ」に5年連続参戦が決まった石川遼(21)だが、昨年に続き、3度目となる「特別招待」出場に対し、国内外で疑問の声が飛び交っている。
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誰も特別扱いしないはずの権威ある「マスターズ委員会」。名手(マスター)が集うメジャー大会だけに、出場資格は19項目にも細分化され、きわめて厳しい。
スポーツ紙ゴルフ担当記者が話す。
「77年を誇る歴史の中、例外の『特別招待』は、『一生に一度』とも言われ続けてきました。にもかかわらず、わずか5年で3回目という特別扱いぶりに、米国のジャーナリストの間では、『優勝しなくても生涯出場権を得る最初のプレーヤー』と皮肉たっぷりにささやかれるほどでした」
この超特例とも思える選出に対し、オーガスタ・ナショナルGCのビリー・ペイン会長は、「2人(石川とタイのタワン・ウィラチャン)が参加することでアジアのゴルフ人気と関心が高まることを期待している」と、説明した。
当の石川本人も「なぜ、そこまで期待していただけるのか」と戸惑いを隠さないが、一方で、国内のゴルフ関係者の多くは、「遼クンは半永久的に出場する」という認識で一致しているという。
さる広告代理店関係者もこう話す。
「誰もが“やっぱり”という思いでした。昨年12月17日の最終世界ランキング発表で、出場権ラインに届かない75位。その時点で、推定『5年で10億円』という放映権料を支払っているTBSの担当者たちが少しも動揺していない姿を見て、この状況は予想できました」
石川が今後、自力で出場するためには、マスターズの前週に発表される世界ランキングで50位以内に入るか、今年から本格参戦する米ツアーで初優勝するしかない。現在の石川の実力と調子から判断して、どちらもかなり高いハードルなのは間違いない。
前出の広告代理店関係者が続ける。
「この不況下に4日間開催とはいえ、TBSは一大会に2億円の放映権料を払っていることになる。遼クンの出場しだいで視聴率も大きく変わるわけですから、TBSは何としても遼クンを出場させたいはずですよ」
マスターズに対して海外メディアとして、最大級の発言力を持つと言われているTBS。過去にもマスターズ側の配慮ぶりが常に見え隠れしていたという。
民放関係者が話す。
「例えば、遼クンが初出場した09年の初日、遼クンの前の組にタイガー・ウッズ。翌年は池田勇太の次の組にウッズでした。それもウッズは2年続けて31組目。TBSの放送時間帯にウッズと日本のスター選手を同時に見せるためとしか思えません」
さらに、今季から新たなスポンサー契約が相次いでいる石川サイドとしても、欠かせない出場権だったと見られている。
過去4戦中、3度の予選落ち。このままでは、アジアのゴルフ人気は下がる一方にも思えるが‥‥