W杯の影響もあり、日本のJリーグも盛り上がりを見せている。最大の理由は、スペイン代表から引退を正式に発表したばかりの“バルセロナの至宝”アンドレス・イニエスタ選手のヴィッセル神戸への移籍だ。8月に行われる神戸のホームチケットが、ファンクラブ先行予約で例年の7倍の倍率になっているのがその証拠で、ブルゾンちえみにも迫る(?)32億5000万円の破格年俸も「高くはなかった」と言われるほどの効果を見せているという。
一方、同じく元スペイン代表の“イケメン”フェルナンド・トーレス選手のサガン鳥栖移籍も「成立」と報道され、特に九州のサッカーファンから「すげえ」「イニエスタより見たい」「鳥栖なんかに来てくれるんだ」など歓喜の声があがったことは記憶に新しい。ところがこれが一転、悲劇に。7月1日に鳥栖側とトーレス側の交渉が決裂したことが報道されたのだ。
「交渉決裂が発表される数日前から、トーレス側と音信不通になるなど暗雲は立ち込めていました。関係者もファンは数%の可能性にかけていたようですが、本当に残念ですね。その一番の理由がJリーグ側のフライング発表だと言われています。それに気を悪くしたとトーレス側が心変わりしたというのですが…」(スポーツ紙記者)
問題のフライング発表は5月30日、Jリーグ公式ツイッターに鳥栖のトーレス獲得の予定原稿がアップされたこと。ただし、ファンの多くはこれが原因との報道に疑問を持っているのだとか。それもあってか、「海外じゃ事前に流れるなんて当たり前」「トーレスが移籍を止める言い訳を探してただけ」「フライング発表はよくないけど、それで日本のファンが大喜びしてたのを逆手に取るなんてひどい」など、ブーイングの嵐となっている。
「本当に移籍するつもりならフライング発表をネタにして会見などで笑わせるぐらいのユーモアが欲しかった。公式SNSというのは確かにJリーグの大ミスですが、ファンの言うとおりそれはあくまでタテマエで、破談の最大の理由はマネーだと思います。イニエスタの莫大な年俸をトーレス側が知らないわけがない。上乗せ要求をしてきたことも考えられますし、中国リーグやMLS(メジャーリーグサッカー)から、もっといい条件が届いた可能性も高い。推測の域は出ませんが、実際にどこへいくらで行くか注目しましょう」(前出・スポーツ紙記者)
ファンからもやはり「理由はお金」という意見が目立っている。「今のトーレスには8億円の価値はない」「試合を支配できるイニエスタとは比べものにならない」「どうせハリウッドでキングのような暮らしがしたいだけでしょ?」「来てからサボられるよりよかった」と、最初の喜びが大きかっただけに、破談となった今はコメントも辛らつ。とはいえ、イニエスタの超VIP移籍が今後の有名選手の移籍交渉ハードルを上げてしまった危険性は否定できないのかも。
(飯野さつき)