早くも夏の大人買いが功を奏した格好だ。Jリーグのヴィッセル神戸が運営するオフィシャルインスタグラムアカウントのフォロワー数が8月31日に8万1000を突破し、鹿島アントラーズ(7万7000)を抑えてJリーグクラブとして最多の数字を誇っている。
もちろん、この突然のフォロワー急増の要因が、5月に成し遂げたスペイン代表MFアンドレス・イニエスタとの契約にあることは言うまでもないが、クラブを運営する楽天の三木谷浩史オーナーはその後も立て続けにマーケットを模索し、夏にはタイ・プレミアリーグのムアントン・ユナイテッドからタイ代表DFテーラトン・ブンマタンも期限付き移籍で獲得。また、昨季にはトルコのガラタサライから元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキを引き抜いたことも“神戸フィーバー”にひと役かっているだろう。
「莫大な費用を投じたヴィッセル神戸の昨季のJリーグ最終順位は9位で、今季は5位と絶好調という戦績ではないですが、やはり今やサッカークラブもSNSにおける拡散力や影響力を競い合う時代。海外の選手からすれば、日本のJリーグの最終順位表などより、インスタグラムでのフォロワー数やワールドワイドな影響力が強いクラブの方が認知しやすいため、“インスタフォロワー数No.1”との称号はグローバルな視点でクラブ運営を続けるヴィッセル神戸にとっては嬉しい栄光ではないでしょうか。次にスター選手と交渉する際にも背中を後押しするだけでなく、スポンサーとの交渉においても有利に働く可能性もありますからね。破格の年俸32億円を提示したと囁かれるイニエスタとの契約ですが、こうした諸々の波及効果を考慮すれば、将来的にはバーゲンセールだったと振り返ることができるかもしれませんね」(テレビ誌ライター)
夏にはイニエスタに続き、元イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォンやスペイン代表MFアンデル・エレーラといった一流プレイヤーとの電撃契約説が囁かれたヴィッセル神戸。次々に実現していくヨーロッパからの“名手狩り”には地元ファンにとってもたまらない日々となっているに違いない。
(木村慎吾)