女子アナの中で、誰よりも「ハラスメントへの怒り」を隠さないことで注目を集めるのが、9月で「報道ステーション」から「Abema TV」への“異動”が明らかになったテレビ朝日・小川彩佳アナ(33)だ。
くしくもその動向がクローズアップされたのが、今年4月に報じられた、財務省の福田前事務次官によるテレビ朝日女性記者へのハラスメント事件だった。
ハラスメント問題を認識しながら報じなかったとして、テレ朝自体にも批判が集まる中、この話題を報じた「報道ステーション」のコメンテーター・後藤謙次氏による、局を擁護する発言に小川アナがブチギレ。
怒りの形相でため息をつく彼女の姿がネット上でも話題になったほどだった。
なぜ、彼女はかくもセクハラに怒るのか、同局の報道に携わる制作スタッフが代弁する。
「かつて彼女自身がセクハラに悩んでいたという背景があるからですよ。入社直後の07年に担当した『サンデープロジェクト』で、政治家、コメンテーターからたびたびお尻を触られるなどの被害に遭っていたというのは、内部では有名な話です」
セクハラに耐える彼女を救ったのが、あの大物司会者だ。
「『サンプロ』で討論コーナーの司会をしていた田原総一朗さんは小川アナのことを『とてもホネのある人』と称するんですが、それは当時、彼女がセクハラに遭いながらも負けずに頑張っているのをよく見ていたからでしょう。田原さんが小川アナにボディタッチしたコメンテーターを注意したということもあったようです」(制作スタッフ)
こんな話もある。
「今でも、小川アナは政治家の取材などでセクハラ発言を受けることがあるとのことなんですが、最近では『やめていただけますか』とハッキリ拒絶の意思を示すようになったと聞きます。他局でもフジの三田アナら、小川アナの“反セクハラ”のスタンスに影響を受けている女子アナは多いですね」(制作スタッフ)
なのになぜ、女子アナへのセクハラはなくならないのか。女子アナ評論家の春山マサハル氏は「テレビ局のスタンス」が背景にあると指摘する。
「テレビ局にはもともと、スポンサー企業の幹部をもてなす『接待要員』として女子アナを利用してきたという歴史があります。そうした背景から、あからさまな接待をやらなくなった90年代終盤までは、“セクハラ耐性”のある女子大生が女子アナとして採用されやすかったのが実情です。今でもフジ・三田アナや加藤のセクハラ面接でわかるように、基本的にスタンスは変わっていません。今後、テレ朝・小川アナのようにハッキリとセクハラを拒絶する人が増えないかぎり、テレビ局の姿勢に変化はないでしょうね」
セクハラ被害の最前線に立つ女子アナの相次ぐ告発が、大企業の姿勢を動かす日も近いようだ。