芸能

天才テリー伊藤対談「石川ひとみ」(1)この曲が最後でも後悔はしない、と

●ゲスト:石川ひとみ(いしかわ・ひとみ) 1959年、愛知県生まれ。高校2年の時にオーディション番組「君こそスターだ!」(フジテレビ系)で第20代グランドチャンピオンになり、78年、「右向け右」で歌手デビュー。81年、「まちぶせ」の大ヒットにより国民的アイドル歌手に。また、79年から82年まで人形劇「プリンプリン物語」(NHK)で主役のプリンセス・プリンプリンの声を担当するなど、歌以外でも人気を博した。87年、B型肝炎を発症し、一時休業。88年、仕事復帰。93年、当時の体験などをつづった自叙伝「いっしょに泳ごうよ」(集英社)を出版。今年6月、デビュー40周年を記念したアルバム「わたしの毎日」(テイチクエンタテインメント)を発表。収録曲「まちぶせ 81-18ver」では、81年当時の声と現在の石川ひとみのデュエットを実現させている。また、10月7日(日)には「石川ひとみ40周年記念コンサートat東京FMホール~『右向け右』から『わたしの毎日』~」を開催予定。

 名曲「まちぶせ」の大ヒットで一世を風靡した歌手・石川ひとみ。今年デビュー40周年を迎えて35年ぶりのオリジナルアルバムが発売、さらに記念コンサートも開催される。昔と変わらぬ美貌にドキドキの天才テリーが、決して順風満帆ではなかった、その道のりに迫った!

テリー この前出たばかりの、デビュー40周年記念アルバムを聴かせてもらったんだけど、ボーナストラックに名曲「まちぶせ」のスペシャルバージョンが収録されているじゃないですか。

石川 はい、81年に出たレコードの歌声とデュエットしているんですよ。

テリー 全然声が変わってなくて、ビックリしちゃったよ。だいたい、ひとみさんの見た目も、昔のままだものね。

石川 えー、本当ですか?ありがとうございます。

テリー 今聴いても、まったく古びてないからすごいね。そう考えると、あらためて宝物みたいな曲に出会えたと思いませんか?

石川 ええ、本当にそう思います。この曲、私の10枚目のオリジナルシングルに当たるんですよ。

テリー ああ、10って聞くと、ひと区切りのタイミングだね。

石川 そうなんです。実はその頃、いろいろと悩んでいまして‥‥。デビューした頃はいろんな賞レースもありましたし、歌える場も多かったんですけれど、2~3年たつと少しずつ状況も変わってきて、応援してくれるファンの方以外に、なかなか曲が届かなくなってしまったんです。

テリー まあ、ヒット曲を出すのは大変だからね。

石川 それで中途半端な活動を続けるなら、そろそろ区切りをつけようと。自分の性格的にもこのままズルズル行くのは無理だろうな、と考えていたんですね。

テリー それは、歌手をやめるということ?

石川 はい。そんなタイミングに、「まちぶせ」という曲と巡り合いました。実はその時、他にも何曲か候補をいただいていたんですけど、「この曲が歌いたいです!」と自分から言いました。そういうことをスタッフの方にお願いすることも、実はその時が初めてで‥‥。

テリー よっぽどの決意があってのことだったんだ。それは、またどうして?

石川 もともと大好きな曲だったんですよ。高校生の時、私は渡辺プロダクション系列の「東京音楽学院」名古屋校に1年ぐらい所属していたんですけれど、その時のレッスン曲が「まちぶせ」だったんです。

テリー そうか、そもそも「まちぶせ」って、三木聖子さんのカバーなんだものね。

石川 そうです。初めて聴いた時に「なんてすばらしい曲なんだろう!」と感動して、その日にレコード屋さんへ走って買いに行って、毎日のように歌っていたんですよ。だから、その曲がシングル候補に挙がった時は「売れる」「売れない」なんてことはまったく意識していなくて、「この曲が私の最後の曲になるなら、もう後悔はしない」と思えたんです。

テリー 結果、三木さんを上回る大ヒットを記録することになる、と。ひとみさんの熱い思いも含めて、まさに運命的な出会いだったんだね。

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