やはり月9ドラマは復活していなかったのか。織田裕二主演の「SUITS」(フジテレビ系)が11月12日放送の第6話で視聴率9.5%に下落。第4話で記録したシリーズ最低の8.9%に続き、二度目の10%割れとなった。そんな体たらくの「SUITS」に対し、予想外の健闘を見せているドラマがあるという。テレビ誌のライターが指摘する。
「80年代のヤンキー文化を描いた『今日から俺は!!』(日本テレビ系)は11月11日放送の第5話がシリーズ最高の9.8%をマーク。同じ週単位で見た場合、月9の『SUITS』を上回った形です。放送前には主演を務める賀来賢人のビジュアルが原作とかけ離れているとか、橋本環奈のスケ番姿が可愛くないなどと酷評されていましたが、フタを開けてみればキャスト全員が全力でコメディタッチの役柄を演じ切っており、すがすがしいまでのフルスイングぶりが視聴者のツボにはまっています」
それに対して視聴率続落中の「SUITS」は、アメリカで大ヒットした弁護士ドラマのリメイク版であり、本来なら物語の強さでアピールするべきところ。しかし織田の大げさすぎる演技が鼻につくほか、織田とバディを組む天才青年役のHey!Say!JUMP!中島裕翔がさっぱり天才ぶりを表現できない始末だ。しかも物語の核となるべき弁護案件にも深みがなく、オリジナル版のようなヒリヒリ感が望みようもないのである。
「結局のところ『SUITS』では、弁護士ドラマならではの真に迫った交渉術を見せたいのか、それとも弁護士同士が織りなす人間関係を紡ぎたいのかがわかりません。そのため『SUITSはこんなドラマだ』と説明することさえ難しい有様です。それに対して『今日から俺は!!』のテーマはヤンキー同士のトップ争い、そして恋愛と実にシンプル。主演の賀来が演じる最凶ヤンキーと、敵対する他校のワルとの対比が明確で、勧善懲悪ドラマとして楽しむこともできます。おかげでヤンキーに興味がない層も取り込めているのが強みですね」(前出・テレビ誌ライター)
どうやら「SUITS」が人気回復を図るには、ストーリーをもっとシンプルにしたほうがいいのかもしれない。
(金田麻有)