松竹芸能が、来年1月1月に新たな常設劇場「DAIHATSU心斎橋角座」(大阪市中央区)をオープンさせることを発表したのは去る11月19日のこと。ところが、以来、これに所属する芸人からは、期待とともに不安の声があがっている。
大阪の「角座」(「道頓堀角座」)は今年7月、賃貸契約の終了に閉館後、次の行く先が注目されていた。
「場所は地下鉄心斎橋駅から徒歩5分。漫才や落語のほか、外国人観光客向けにOSK歌劇のレビューショーも行う予定で、大阪万博に向けても期待できます。いずれにせよ芸人は、お客さんを前にしてやってこそ。ホームグラウンドがあるのとないのとではエラい違いですよ」
とは劇場関係者。しかし一方で、今回の“移転”に関しては“ホンマに大丈夫かいな”といった話も聞こえてくるのだ。
「ウチ(松竹芸能)は、道頓堀にあった『浪花座』を02年に閉館してからこれまで、劇場を作っては畳むの繰り返しでした。今度は定期借家契約10年と長期のため大丈夫だとは思いますが、これまでの例があるだけに、演芸の枠を減らすなど、客入りによって利用法が変わるかもしれません。そもそも、芸人にとっては“聖地”でもある道頓堀で場所を探してもらいたかったという思いもある」(松竹芸能関係者)
ともあれ、「大阪が吉本興業ばかりではおもろない」の声を受け、老舗が新劇場で意地を見せることができるか。
(坂本市郎)