インフルエンザ(インフルエンザウィルス感染症)は11~12月に流行が始まり、1~3月にピークを迎える。このインフルエンザにあの納豆が予防になる!?
今年も早い時期から学級閉鎖が報告されるなど全国的にインフルエンザウイルスの感染が拡がっている。そんな中、インフルエンザの予防にユニークな方法を取り入れている保育園があった。その方法というのが給食の納豆。東京・葛飾のある保育園では、月に1回は納豆汁や納豆揚げなど納豆料理を給食に出していたのだが、納豆菌がインフルエンザ予防などに役立つという発表を知り、納豆そのものもメニューに入れたのだった。
その元になったのが中部大学客員教授の林京子さん(薬学博士)がマウスを使ったノロウイルス感染実験の結果。納豆菌の中の「S-903」という菌株による感染症予防効果が確認できたという。実験に協力したのは創業以来納豆一筋のタカノフーズ。同社の担当者はこのように説明している。
〈S-903はわが社の研究室で発見され特許を取った新しい納豆菌。当社が保有している納豆菌は2200種以上。S-903は通常の納豆菌に比べ、免疫力アップ効果が1.5倍というスーパー納豆菌。粘膜免疫を向上させ、鼻炎の症状を改善する可能性が高い。さらにウイルスの増殖を抑え、さらに病原体と戦う抗体量を高めるのでインフルエンザ予防などに役立つ〉
そして納豆の効果を裏付けるような別の研究報告もあるという。
「免疫細胞の60%~70%は腸に存在することが最近わかった」(ジャーナリスト・森岡忍氏)
1週間ほど納豆を食べ続けていればウイルスの増殖を抑え、さらに病原体と戦う抗体量を高められると言う。さらに納豆の効能と免疫力を高める食べ方を管理栄養士の工藤孝子さんはこう言う。
「納豆を14日間食べ続けると、食べる前に15%しかなかったビフィズス菌が約40%にまで増えたという報告もあります。また、納豆には解毒作用もあります。さらに女子栄養大学副学長の五明紀春先生は納豆にオリーブオイルを加えると免疫力アップ効果が抜群に上がるとも言っています」
この冬はせっせと納豆を食べ、風邪知らずに過ごしたいものだ。
(谷川渓)