今年のインフルエンザは2度3度かかる人が多い。その予防に紅茶が効果があるという。
紅茶とインフルエンザとの関連については以前から研究がされてきた。その中でも、家庭用紅茶・緑茶の製造販売の大手、三井農林は「お茶科学研究所」を設け、創業以来100年以上にわたるお茶の研究を行なっている。そして研究の成果を発表している。
要約すると、〈お茶に含まれる成分には、様々なウイルスの活性を奪う作用があることが報告されている。 当社の研究結果と、これまでに報告されていることを加味すると、紅茶がインフルエンザウイルスの感染を阻止する効果は非常に高い〉とのことだ。そして、インフルエンザ対策によいとされている飲み物や食品成分について比較した結果も公表。要点をまとめると次のようになる。
〈紅茶は15秒でインフルエンザウイルスを無力化することができ、ウイルス感染を阻止する能力は抜群だった。しかも生体内においても感染力が復活することはなく発病を抑制できることが分かった。紅茶の飲用頻度が高いほど、インフルエンザ発病率が低く、さらに、2杯目、3杯目の薄い紅茶も有効。通常の飲用濃度の10分の1程度でも、十分にインフルエンザウイルスを無力化する力が残っている。試験の結果でも“紅茶うがい”によるインフルエンザウイルスの感染率を低減させる効果が確認されている〉
一方、「紅茶と暮らし研究所」が北海道医療大学の鎌口有秀准教授と共同で行った実験でも同様の結果が出たという。
「インフルエンザウイルスの表面はスパイクと呼ばれるタンパク質で覆われています。インフルエンザウイルスがヒトに感染する際、スパイクが呼吸器粘膜の細胞表面に吸着、侵入するうえで重要な役割を担っている。紅茶ポリフェノールは、このスパイクに付着して、ウイルスが細胞に吸着する能力を奪う力が強いので、ウイルスの感染を阻害し、無力化することがわかっています」(ベテラン医療関係者)
灯台下暗し、というべきか。まさにいいことずくめに思える紅茶を飲んでインフルエンザを撃退しようではないか。
(谷川渓)