フィギュアスケートの2018年全日本選手権で4年ぶりに復帰した高橋大輔選手が表彰台の2位に入り、世界選手権の候補に選出された。しかし、高橋選手はこれを辞退し、ファンをざわつかせているという。
高橋選手は、自分のような(年齢が高く)未来のない選手ではなく、若い選手が経験を積むために行くべきだと思うと心情を吐露。さらに、行きたい気持ちもあるが、世界と戦う覚悟を持ちきれなかったのが辞退の大きな理由であると答えた。確かに、数多くの国際大会を乗り越えてきた高橋選手だからこそ、そこに気持ちを持って行くことの大変さを知っているということだろう。だが、その言葉を素直に飲み込めないファン心理があることも事実。その心理は、スケート連盟への憶測も生み出しているようだ。
「高橋選手が世界選手権に気持ちを持って行く大変さを痛感して辞退したというのはウソではないでしょう。しかし、その裏にスケート連盟のなんらかの思惑があるのでは、とささやかれているのです。全日本選手権では優勝者および表彰台上位の選手が世界選手権出場権を得るのは誰もが知る事実。高橋選手はSPでも2位を取っていましたから、ファンの間ではこのまま行けば世界選手権の出場権を獲得できると喜んでいる声もありました。しかし、放送では解説もアナウンサーも、高橋選手の世界選手権の可能性についてひと言も触れなかったのです。ほかの選手については5、6位につけた選手でも世界選手権争いに絡んだことや、出場の可能性が出てきたことをコメントしていました。しかし、高橋選手に関しては不自然なほどスルーしていました。もともと、高橋選手は引退年の世界選手権に出場しなかった心残りが、現役復帰を決意させた一つの要因だと語っていました。だとすれば、世界選手権でその心残りを晴らすと考えるほうが自然です。それなのに、そうはさせない空気があったんではないかと、憶測が飛んでいるのです」(スポーツライター)
実力のある選手が権利を得るという大前提だけに、実力のある高橋選手が辞退して、もともと出場できる実力のなかった選手が出場するということになるのならば、合点のいかないファンが出てくるのも、むしろ当然といえよう。
(芝公子)