フィギュアスケートで一時代を築いた高橋大輔のアイスダンス転向が話題を呼んでいる。パートナーは、平昌五輪のアイスダンス代表となった村元哉中。昨夏、五輪出場時のパートナーでもあったクリス・リードとのペアを解消し、「新パートナーが誰になるのか?」と注目されていたが、フィギュアの高橋とは誰も予想できなかった。
「引退した2014年、冗談で『アイスダイスを趣味でやりたい』と言っていたんです。共通のスケート仲間が村元との仲介を果たしました」(関係者)
日本はスケート大国に発展したが、テレビ中継はフィギュア一辺倒。高橋&村元の新コンビであれば、今後、ダンスの中継も十分にあり得るだろう。
「村元は妖艶なダンスと、肌の色に近い衣装で周囲をビックリさせたこともありました」(体育協会詰め記者)
しかし、高橋との新コンビでは別の意味でもビックリさせてくれそうだ。まず、このコンビには結成の時点から弱点を抱えていた。高橋の身長は165センチ。村元は162センチ。身長がほぼ同じでは「リスト」が成立しないかもしれないのだ。ちなみに、リストとは、男性が女性を持ち上げ、片手でバランスを取る演技。7秒以内のショートと12秒以内のコンビネーションの2つを成立させなければならない。アイスダイスの強い日本人ペアが誕生しないのは「男性=長身」という必須条件をクリアできないからで、女性選手は外国人選手とペアを組むことなる。
「高橋は国際スケート連盟が認定した33種類のダンス基礎を習得しなければなりません。自身とほぼ同じ身長の村元を持ち上げるための筋トレも欠かせません」(前出・体協詰め記者)
とはいえ、次期冬季五輪の北京大会出場に向け、勝算がないわけではない。「村元が高橋を持ち上げる」という、「男女逆転リフト」も検討されていた。フィギュアスケーター・高橋のダンス、ステップには定評があった。男女逆転なら、その高橋のステップを最大限に魅せることも可能だ。ルール上でもまったく問題はない。
「村元は発想が柔軟な選手。海外では男女逆転リフトをメインに演技構成するペアもいます。そして、成功すれば高得点につながります。高橋を新パートナーに選んだ時点で、村元のイメージはできていたのかも」(前出・関係者)
高橋も筋トレで村元を持ち上げるつもり。だが、艶っぽい村元に操られる高橋の姿も見てみたいものだ。
(スポーツライター・飯山満)