大阪府を中心に展開する激安店「スーパー玉出」の創業者(74)が大阪府警捜査4課に、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)の容疑で逮捕されたのは去る12月3日。これをきっかけに「男たちの桃源郷」が危機に陥るともっぱらだ。
「逮捕された創業者は、キャラクターの濃さからバラエティ番組にも出演し、名物経営者として知られる一方、反社会的勢力との関係が幾度となく取り沙汰されてきた人物。それだけに今回の逮捕自体は“やっぱり”といった感じだったのですが、問題は、かけられた容疑の内容です」(地元記者)
というのもこの創業者、所有する大阪市西成区の飛田新地内の建物を暴力団関係者に貸し出し、そこで女性の売り買いが行われていることを知りながら、売り上げの一部を“家賃”として受け取っていた疑いが持たれているのだ。
飛田新地は、いわゆる「ちょんの間」で遊べる料亭が集まった、遊郭を今に伝える全国でも数少ない地帯。しかし、そうした実態を誰もが知りつつも、これまで大きな摘発を受けずに営業を続けてきた。
「ポイントは、その売り上げが反社会的勢力の資金源になっているか、いないのか。府警はこれまで、暴力団が絡んでいないことを前提に、定期的かつ形式的な摘発以外、見て見ぬ形をとっていた。まあ、暗黙の了解ってやつです。ところが今回は、その“前提”がもろとも崩れてしまった。そのため今後は、徹底的に摘んでいかなければならない状態になる」(府警OB関係者)
地元店主などは、こうした動きに困惑ぶりを隠せない。
「こうなると、間違いなく取り締まりはきつくなると思う。来年のG20、2025年の大阪万博開催へ向けての浄化作戦の前触れという話もありますからね。私らにとってはインバウンド景気を邪魔され迷惑な話ですが、海外に対するイメージ作りのために潰しにかかっているとの話まで聞こえてきます」(料亭関係者)
水面下では戦々恐々のようで、飛田新地を巡る今後の動きが注視される。
(坂本市郎)