12月24日に放送されたスペシャルドラマ「犬神家の一族」(フジテレビ系)に、視聴者から多くの批判が寄せられている。その理由はもちろん、主役の金田一耕助を演じたNEWS・加藤シゲアキの棒演技ぶりだ。ドラマ版で第15代となる金田一役を務めた加藤だが、これまでの錚々たる顔ぶれと比較すると、演技はもちろん名前負けの面も否めないという。
「歴代の金田一耕助役は名役者ぞろいで、中高年世代には古谷一行や愛川欽也の金田一を覚えている人も多いはず。片岡鶴太郎は好き嫌いが分かれたものの、演技自体は評価されていました。その後も役所広司や上川達也らが金田一を好演し、極めつきは第11代の稲垣吾郎。彼は他の横溝正史作品でも金田一耕助を演じており、格好のハマリ役になったのです。最近では池松壮亮や吉岡秀隆といった演技巧者が後釜を務めていましたが、そんな顔ぶれが並ぶ大役に加藤の名前が発表された時は、悪い冗談だと顔をしかめた視聴者も多かったものです。そしてフタを開けてみたら案の定、史上最悪の金田一になってしまったのですから、横溝正史ドラマのファンからは早くも“黒歴史認定”を受けている有様です」(テレビ誌のライター)
今回の配役に関しては、視聴率低迷のフジテレビがジャニーズに媚びを売ったという説や、金田一に過去扮したもののジャニーズを退所した稲垣への当てつけとしてジャニーズが、ここぞとばかりに“ゴリ押し”した説などがささやかれている。いずれにせよそんな加藤の“ゴリ押し”が、結果として別の共演者を輝かせる皮肉な結果になったというのだ。テレビ誌のライターが続ける。
「白マスクを被り佐清(すけきよ)役を務めた賀来賢人には、『シリアスな演技もうまい!』と絶賛の声が集まっています。その賀来は12月16日に最終回を迎えたドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)で演じた80年代ヤンキーがハマリ役となり、コミカルな演技が高く評価されました。そして今回は、そのヤンキー役とは真反対と言える佐清役でコミカル要素を封印。叔母・賀来千香子ゆずりの端正な顔立ちを白いゴムマスクで隠しつつ、加藤とはまさに対極に位置する圧倒的な演技力で、本作のキーマンをみごとに演じ切ったのです」
もはや本ドラマは賀来こそが主人公で、加藤演じる金田一は単なる狂言回しの役だと割り切って楽しんだほうが、精神衛生上も良かったようだ。
(金田麻有)