4月22日、29日の2週にわたり放映されるNHK版「犬神家の一族」。4月4日に特番が放映されたものの、1976年当時15億5000万円の配給収入をあげた話題作のリバイバルとしては、どうも盛り上がりに欠けるのだ。いったいなぜか。
「華がないんです。NHK版は金田一耕助役に吉岡秀隆、大竹しのぶ、倍賞美津子などベテラン演技派俳優を集め、映画を超えるクオリティーが期待されているものの、美女がひとりも出てこない。角川版では犬神左兵衛の遺産をめぐる相続争いに巻き込まれ、犬神家の男達に狙われる野々宮珠世役を島田陽子、雪の中で胸もあらわに3人の娘から折檻される青沼菊乃役を佳那晃子(撮影当時の芸名は大関優子)、金田一耕助が泊まる旅館の女中役をまだ可憐さが残る坂口良子が演じ、おどろおどろしい連続殺人事件の清涼剤になっていました。佐清の白いマスクと湖から突き出た足のシーンだけでも恐ろしいのに、大竹や倍賞の快演が不気味さを増します」(テレビ関係者)
ちなみにNHK版で野々宮珠代を演じるのは「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」のテレビCMでお馴染みの若手演技派女優、古川琴音だ。テレビ関係者が続ける。
「この『犬神家』と同じように、映画やフジテレビのドラマで放映されたNHK版『大奥』は、原作の登場人物に忠実な女優たちの競演と、倉科カナや仲里依紗による体当たりのラブシーンが好評でした。NHK版『犬神家』で、バストを剥き出しにした折檻シーンや、同じように一瞬だけバストトップが見える島田陽子が襲われるシーンのようなもの、男性同士の絡みがあるのか。視聴率を取れるかどうかは、まだ発表されていない出演者と、横溝正史作品に不可欠なラブシーン次第でしょう。まぁ、でもNHKですから…」
監督、演出は「鎌倉殿の13人」の吉田照幸、脚本はアニメ版「進撃の巨人」と実写版「岸辺露伴は動かない」の小林靖子。あとは妖艶な美女のピースが揃えば、パズルは完成するのだが。