昨年5位に沈んだ阪神が抱える火薬庫男は西岡剛(28)、福留孝介(35)の「メジャー落ち」2人組。阪神担当記者は冷ややかだ。
「メジャー帰りの野手で成功したのはロッテの井口資仁(38)ぐらい。アメリカでダメの烙印を押されて戻ってきたわけですから。そもそも球団は西岡を獲ることを前提として、FA宣言した平野恵一(33)を引き止めなかった。『給料は下がってもかまわないから、2年契約してほしい』という平野の要求を頑として飲まず、オリックスへと追い出した。実質的に平野が出て行くように仕向けたわけで、その過程を知っている選手たちは『何やねん、この球団は』と不満を抱いています。内外野ともに守備力抜群で実績もある平野を失ったマイナスは大きい。球団は西岡を獲ったと喜んでいるけど、西岡がどんなに頑張っても大したプラスにはならんと思います」
まず西岡ありきの処遇は何やら、先の巨人の菅野・澤村問題と重なるものがある。
もう1人の福留も、大きな不協和音の元凶となっている。何しろ昨オフ、「3年15億円の仰天要求」との報道が出た時点で、
「金の亡者みたいになってたし、関西マスコミもファンも『もうええわ』と、待望論は消滅。いまさら来てしまってもねぇ、という感じです。もし本当に戦力になるなら、古巣中日が全力で獲りにいったでしょう。でも中日は、福留との交渉でビタ一文、条件を上げなかった。阪神はアホですわ」(阪神電鉄関係者)
大型ルーキー・藤浪晋太郎(18)フィーバーに浮かれている場合ではないのだ。
大型ルーキーといえば、二刀流挑戦の行方が注目される大谷翔平(18)が、リーグ連覇を目指す日本ハムの火種となりつつある。球団関係者が明かす。
「栗山英樹監督(51)は、打者に軸足を置かせる計画を持っているようです。投手としての起用法にはほとんど言及していませんが、『打つほうならすぐに使える』『オープン戦で打者として使う』と話すほか、選手たちも『投手より打者のほうがいい。打者なら主軸を打てる』と口々に評価している。確かに球は速いが、あれぐらいの投手なら今後また新たに出てくる可能性がある。細かいコントロールに不安もあり、数年先を見据える必要もある。監督も先発ローテ入りは考えていないと思います。しかし、打者としては松井秀喜、清原和博クラスとの判断。球団は3番・大谷、4番・中田翔(23)で『新ON砲』を作りたい。だから投手の道はおいおい諦めさせようと‥‥」
メジャー行きを断念して入団する際、栗山監督は前代未聞の二刀流を後押しする約束をした。だが、現実を直視すれば、大谷は「4番でエース」どころか、早くも「投手剥奪」の危機なのである。