衣料通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOが1月31日、2019年3月期の業績予想を大幅に下方修正。鳴り物入りで打ち出した、採寸専用ボディタイツ「ZOZOスーツ」を利用したプライベートブランド(PB)事業が足かせとなった。
売上高は前回予想の1470億円から1180億円、純利益予想も280億円から178億円と大きく引き下げた。年間売上高200億円の目標を立てた、ZOZOスーツによるPB事業が125億円の赤字を計上したことが痛手となったようだ。31日、都内で開かれたアナリスト向けの決算説明会で前澤友作社長は「非常に情けないことに、業績を下方修正した。申し訳ありません」と、謝罪し、PBに対しては「125億円は高い勉強代になってしまった」と悔しさをにじませた。
ZOZOスーツとは、採寸専用のスーツのことで、これを着てスマホのアプリに従って撮影すれば、体型を瞬時に計測。そのデータに基づき、自分のサイズに合ったZOZOオリジナルアイテムを注文できる。これまではカジュアルアイテムでも使用できたが、今後はスーツなどのフォーマルアイテムのみの利用に絞るという。しかし、ZOZOスーツによるスーツの芳しくない評判もある。ファッション誌のライターが言う。
「体型に合ったサイズを謳っていますが、合っていないというユーザーの声も少なくありません。袖丈が短かったり、ウエストがブカブカだったり、ユーザーによって不満の声は様々ですが、期待値が大きかっただけにサイズが少しでも合わないと裏切られた思いになるようです。また、ほつれがあるなど、完成度が低いという指摘もあります。中には、これなら既製服を補正したほうがマシだという厳しい意見もありました。また、測定方法が意外と難しく、ZOZOスーツを着るのも面倒くさいという声もあります。真剣にテコ入れしないと、ZOZOスーツ事業は頓挫する可能性は大いにありますね」
株価も軟調な同社だが、「月に行ったり、プライベートジェットを買ったりする金や、女優とつき合う時間があるのなら、本業につぎ込め」という株主もいるという。同様の感想を抱く人は多そうだ。
(石田英明)