法律違反の薬物の使用で3月12日に逮捕された「電気グルーヴ」のピエール瀧容疑者。世間からは「あのテンションはたしかに異常」「顔つきがイッちゃってる」との声もあがっており、逮捕は時間の問題だったという見方もあるようだ。
その一方で、瀧のパフォーマンスを長年見続けてきた古参ファンからは、なぜ薬物などを使ったのかと首をかしげる向きもあるという。そもそも瀧は薬物などに頼るような人物ではなかったというのだ。音楽ライターが語る。
「瀧が所属する音楽ユニットの『電気グルーヴ』は、テクノやハウスなど様々なスタイルの電子音楽を奏でる一方で、パフォーマー的な役割の瀧によるコミカルで破天荒なステージも見どころの一つ。その音楽性を目当てにライブを観に行った新規ファンが、予想もつかないステージを目にして驚くといった光景が珍しくありません。そんな瀧が繰り出すパフォーマンスは当初から、『正気ではできない』と言われるほどの狂気を含んでいたのです」
97年にはCM曲にも使われた「Shangri-La」が大ヒットし、ライブには新規ファンが殺到。彼らはライブに備えて電気グルーヴのアルバムを聴き込んできたが、会場で見た光景はまさに想像の斜め上を行くものだったという。
「普通に曲をプレーしている時はノリノリだった観客たちも、瀧によるパフォーマンスタイムでは雰囲気が一変。ふんどし姿で現れた瀧は手のひらを合わせて前に突き出し、『ミサイル!』と叫びながらステージ上をダッシュするという謎のパフォーマンスを繰り広げたのです。最初のうちは笑っていた新規ファンたちも、そのくだりが何分にもわたって続くため、しまいには会場がシーンと静寂に包まれることに。その凍り付いた雰囲気にもかかわらず瀧は動じることなく、歌舞伎役者のように客席に向かって見得を切っていました。そんな過去を知るファンたちは、『薬物なしでもあのテンションを保てたのに、なぜ今さら手を出したのか…』と瀧の行動を不思議がっています」(前出・音楽ライター)
よもや俳優活動を続けるうちに「普通」になってしまう自分に危機感を感じて、薬物に手を出してしまったのか。事件の全容解明が待たれるところだ。
(金田麻有)