3月30日、31日に放送された2夜連続スペシャルドラマ「名探偵・明智小五郎」(テレビ朝日系)。江戸川乱歩による「怪人二十面相」が原作だが、「TRICK」(テレビ朝日系)シリーズや、「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS系)シリーズにおいて、小ネタや笑いが散りばめられた独特の演出に多くのファンがいる木村ひさし監督がメガホンを取っているため、原作からはかなり逸脱したユニークな仕上がりに。
舞台は現代。西島秀俊演じる明智は伊藤淳史演じる警視庁刑事部「サイバー捜査支援室」の小林捜査官とタッグを組んでサイバー犯罪を解決してゆく。さらに人づきあいが苦手な一匹狼だったはずの明智は、サイバーセキュリティ企業「AKロジスティクス」の元CEOで、現CEOは石田ゆり子演じる妻の文代。さらに「明智事務所」を開設しており、そこには「チームBD(ボーイズデティクィブ=少年探偵団)」という中年のハッカー集団3名がいるのだ。
「これには視聴者から《原作を台無しにしている》《江戸川乱歩先生に謝れ》《これはもう明智小五郎を名乗っちゃダメ》といった批判の声が殺到。第2夜のラストシーンがこの作品のシリーズ化を感じさせたため、《シリーズ化するならこのコメディタッチはやめてシリアスに変更して》《このキャストならシリアスタッチでシリーズ化したほうが絶対おもしろい》《シリーズ化するならセリフが聞こえなくなるほどの大きな擬音やセリフを噛む小ネタとかいらない。全部スベッてる》など、早くも今後の展開を不安視する声も相次いでいるようです」(テレビ誌ライター)
3月28日に放送されたフジテレビ開局60周年記念特別企画のドラマ「砂の器」も、原作を逸脱したアレンジが加えられていたことで同様の声があがっていたが、いいかげん「原作」の知名度で視聴者を釣るようなまねはやめるべきだろう。