83年、のちに旋風を巻き起こす「クラッシュギャルズ」が結成された。ちょうど30年目の節目に、本誌は長与千種(48)を直撃!
かつてのパートナー、そしてプロレス界を語り尽くしたのだ。
JR船橋駅を下車して5分ほど歩くと、その店はあった。ドでかい看板には、
〈長与千種の体育会系酒場〉の文字が躍り、現役時代の長与の写真があった。
デビューした8月8日に営業許可が下りたという同店に、長与は毎晩、顔を出し、集まった客たちとプロレス談議に花を咲かせているという。
本誌もそんな客に交ざって長与に尋ねた。まずは、タッグパートナーのライオネス飛鳥(49)のことだ。一部には「不仲説」が飛び交っていたが。
「音信不通? そんなことはないですよ」
軽く一笑に付されてしまった。しかし、2年前に「1985年のクラッシュ・ギャルズ」(文藝春秋刊)が刊行された際、多くのメディアに取り上げられたが、ツーショットを見た記憶がない。2人は〈連絡は取っていない〉と記した記事もあった。もしや30年目の“和解”ということだろうか。
「飛鳥とは簡単にケンカしたり、別れたりできる間柄じゃない。あのコじゃなきゃダメだったんですから、向こうもそう思っているはずです。それに、お互いの誕生日を祝ったり、それなりに連絡も取っています。2人ともめでたくない年齢になったけどね(笑)」
05年の引退以降、長与は飲食店を含む複数の事業を手がける社長である。彼女の目には今の女子プロレス界はどう映っているのか。
「お客さんにもよく聞かれるけど、逆に『どう思います?』と質問してしまう。現状の全てを理解しているわけではないけれど、今のレスラーが努力していることは知っているし‥‥」
多くの客は「あの頃はよかった」と答えるそうだが、それが長与には悲しくもあるという。
「私は根っからレスラーなんですよね。つい恩返しはできないものかと考えてしまう。現役復帰? ないない(笑)。団体旗揚げ? あのね、運営には大金が必要なんです。アサ芸さんが出資してくれるの?(笑)」
冗談めかす長与だが、きっと、同店に集う往年のファンも、彼女が女子プロレス界に戻ってくることを期待しているはずだ。