川崎市で発生した殺傷事件がいまだ世間を揺るがすなか、フジテレビの報道番組があまりにも内容の薄いテロップを映し出していたことが話題になっている。
5月30日放送の「Live News it!」では、同事件に関する“速報”として、「部屋にテレビとゲーム機」とのテロップを大映しに。この4月からキャスターを務めているカトパンこと加藤綾子アナが、「男の部屋にはテレビとゲーム機などがあったことがわかりました」と真顔で伝えたのである。
番組では前日に警察が容疑者の自宅を捜索したと説明。ここで加藤アナは「テレビのほか、ポータブルのゲーム機やテレビにつないで遊ぶゲーム機などもあったことが、新たにわかりました」と伝えていた。この当たり前すぎるレポートに視聴者はびっくり。ネット上では「冷蔵庫や電子レンジもあったのでは?」といった推測が飛び交ったほか、「テレビ棄てなきゃ!」と“我が身を案じる声”も続出していたようだ。
「夕方は民放各局が報道番組を放送する激戦区。フジテレビとしては他局に先駆けていち早く警察発表を伝えたかったのかもしれませんが、わざわざ“速報”と銘打ったのに、その内容が『テレビとゲーム機がありました』では呆気にとられるだけです。もっとも視聴者のほうもフジテレビの報道にはあまり期待していないのか、《安定のフジクォリティ》といった皮肉まで飛び出る始末でした」(テレビ誌ライター)
先走りしつつも内容はゼロ。そんなフジテレビの報道は、田口淳之介容疑者の逮捕時にも発揮されていたという。テレビ誌ライターが続ける。
「逮捕現場に各局の報道陣が詰めかける中、フジテレビのスタジオでは社会部のデスクが事件についてコメント。ここで《薬物を隠し持っていたらしい》という情報が伝わると、『わざわざ隠していたというのは、後ろめたい気持ちがあったに違いない』との見立てを語っていました。しかしすぐあとになって、実際には薬物が見える状態で無造作に置かれていたことが判明。デスクの発言が見当はずれだったことがたちまち露呈してしまったのです」
20世紀ならいざ知らず、今時、テレビとゲーム機のない家庭のほうが珍しいはず。それともフジの制作陣は今でも「ゲーム機があったってぇ!?」という感性の持ち主なのだろうか。
(金田麻有)