食い物にした被害者を使い、井上被告は、ブログの内容をますます充実させていったという。捜査関係者が語る。
「ブログには、撮影時に使ったコスプレ衣装、大人のおもちゃの写真。女児とのセックスの感想や、行為の様子が書かれていた。成人の他に、性に関心のある小中高生たちが集まり、感想などを書き込んだ女児と接触し‥‥ということを繰り返していたのです」
井上被告はブログの反響にご満悦のようで、誇らしげにこう供述したという。「『貧乳は素晴らしい』が10万、『貧乳に癒されて』が3万、『朝ぼらけ』が7000アクセスだった」
暗い情熱を傾けて作った3つのブログだが、内容はほぼ同一で児童ポルノ禁止法に違反するため、現在ではその痕跡も含めて全て消去されているが、前出・捜査関係者はこう語るのだ。
「押し寄せるアクセスの中には児童も多くいました。彼女たちの井上に対する印象は『優しいおじさん』で、家庭や性の悩みを真摯に聞いて、対応していたようです。『たかしさん』を名乗り、仲よくなるとメールでのやり取りをして会うように持っていったのです。しかし、その活動は大阪府警のインターネット・ホットラインセンターに通報されることになり、任意で調べた時に携帯電話から幼女の裸の写真が見つかり、捜査対象となりました」
忍び寄る大阪府警の追跡の手を察してか、逮捕直前、井上被告は近隣住民にこう漏らしていた。
「大阪のほうで仕事が見つかったので、あっちに引っ越してしばらく帰ってこないかもしれません」
逮捕時の職業は無職で、就業と失業を繰り返していたという。捜査を通じて冒頭の少女Aに行った卑劣な内容も明らかになった。
「昨年7月に大阪府内のホテルにAさんと入りました。その後、彼女の裸や、局部を指で広げさせた写真を撮影したのです」(前出・捜査関係者)
少女Aはのちにこんなメールを知人に送っている。
「処女を喪失した。42歳の男とセックスをした」
取り調べに素直に応じ、受け答えもしっかりしているという井上被告だが、被害児童との間では「合意であり、お金も払っていない」ことを主張しているという。しかし、前出・捜査関係者はこう反論する。
「Bさんは言葉巧みにホテルに連れて行かれ、入って撮影するところまでは合意しました。井上が行為に及ぼうとすると嫌がったのですが、彼は無理やりわいせつなことをした。そのショックで、のちにBさんは手首を切ってしまったのです」
一連の犯行からどの程度の量刑になるのか。日大名誉教授(刑法)の板倉宏氏はこう分析する。
「今回の犯罪の場合、最高で懲役30年ですが、現実的には懲役15年くらいの判決が下されるでしょう」
現在まで、井上被告に罪の意識は感じられないという。