今年は大谷にしか興味がないと言いつつも、落合氏はやはり教え子のことは気にしている様子。
「もう一つ、あげるとすりゃ、岩瀬かな」
と、球界随一のクローザー、中日・岩瀬仁紀(38)を指名するのだ。
「日本で初めて300セーブを超えたのが岩瀬なんです。今年は(ケガや不振など)何もなければ350セーブを超えます(開幕時点で通算346セーブ)。で、来年ちゃんとやってくれれば400セーブは超えるんだろうと思う。これが200勝、2000本(安打)という目標があって、(過去に)何人もの選手がそれを通過しているというのとは立場が違う。彼の上には誰もいない。これがいちばんつらいこと。岩瀬はその目標がボケている。そこを指導者がうまく『お前はできるんだから、何が何でも石にかじりついても400っていう記録を作れ。400行ったら450っていう記録を作れ』と、意気に感じる使い方をしてくれれば、もう一回あいつはよみがえるだろうな。若干、今の体制には不安はあるんだけど」
高木守道監督(71)にチクリとイヤミをかましつつも、
「近藤真市(投手コーチ)がベンチに入ったということは我々の教えを受け継いでいますから、そのへんをフォローしてくれるんじゃないかなと思います」
一昨年までの落合・森繁和ヘッドコーチ体制の下で投手コーチだった近藤コーチに期待しているのだが、
「落合氏が高木監督への不安を漏らすのは、野手出身の自分が『知らないことには口を出さない』という信念のもと、投手交代はコーチ任せだったのに対し、高木監督は昨年、投手起用を巡って権藤博投手コーチと大口論を繰り広げたから。また暴走してガンガン口出しをされると困る、ということです。近藤コーチは権藤さんと違ってはるかに若いから、意見しにくいでしょうね」(中日担当記者)
落合氏はペナントレースの行方にも言及。特に「同級生」は気になるようで、
「巨人はどうやったって優勝するもん。これは負けるほうが難しいよな、って言って、そこにどうやって勝つかということを考えて、やり方によってはこれで勝てるんだぞって、この喜びを各球団の監督は持ってくれないと。最初からAクラスでいいって言うんなら、みんな辞めちまえ。何で優勝するって言わないの。キヨシ頑張れ。そろそろ定位置から抜け出してくれないとな」
DeNA・中畑清監督(59)に、最下位脱出どころか優勝せよとの強烈エール、いや催促である。
司会者の制止を振り切り予定時間を1時間以上オーバー、160分も猛毒を吐きまくった落合氏。最後の野球に関する質疑応答が終了してもなお、会場も記者も「自殺未遂告白」の衝撃に揺れたままだった。