7月の世界水泳個人メドレーで2冠となった瀬戸大也が、ひと足早く、東京五輪出場の内定を手にした。その瀬戸は“命懸け”で金メダルを獲りにいかなければならないだろう。
「世界選手権後、瀬戸は短い夏休みを取り、沖縄の宮古島での家族旅行を楽しみました」(体育協会詰め記者)
瀬戸はみずからのブログで家族との記念写真も公開している。そこに映されていたのが、妻で元飛び込み競技・日本代表の馬淵優佳と長女。結婚後、表舞台から退いた馬淵の美貌は相変わらず。しかし、その馬淵が瀬戸に発破をかける存在となっているという。どういうことか。
「大学を卒業した2017年に馬淵と結婚しました。馬淵は東京五輪に出場したいと周囲に話していましたが、瀬戸は『新婚旅行で子どもができなければ、彼女の夢を応援する』という言い方をしていました」(競泳関係者)
結果、家族旅行のショットに映っていた長女を授かり、馬淵は東京五輪をあきらめ、家庭に入った。そして、食生活や体調管理で瀬戸をサポートしてきた。また、自宅には体のメンテナンスのために購入した酸素カプセルなどの大型ケアマシンもあり、若い新婚夫婦の住む間取りを大きく占拠している。それでも、文句一つ言わず、瀬戸の「競技優先」の生活を続けてきた。
「瀬戸は前回のリオデジャネイロ大会で銅メダルに終わったことが相当悔しかったようで、個人で強化合宿を行うなどして、4年後の東京五輪に帰する思いを強く秘めていました」(前出・競泳関係者)
その気持ちにウソはないだろう。瀬戸はリオ大会後、体幹を安定させるため、歯の矯正も行った。しかし、前述の酸素カプセルもそうだが、ここまで徹底して金メダルに懸けるのは、妊娠出産で夢を夫に託した夫人からの厳しい目線もあったからだろう。
「馬淵の父、つまり、瀬戸の義父は飛び込み競技のコーチでした。馬淵父娘で東京五輪を楽しみにしていたので、瀬戸のプレッシャーは相当なもの」(前出・競泳関係者)
もしかすると、宮古島での夫婦の会話は「東京五輪で金メダルが獲れなかったら、どうなるか?」に終始したのでは?瀬戸が恐妻家だという情報は聞かれなかったが、宮古島での夜は瀬戸を発奮させ、かつ金メダル獲得への重圧がさらに増したことは間違いない。
(スポーツライター・飯山満)