40代50代の中高年男性といえば、人間関係、リストラの恐怖、のしかかる責任感など仕事上の悩みに加えて、妻や子どもとの関係、健康や老後の不安といったプライベートなことまで、さまざまな問題を抱えているもの。そしてこれらがストレスとなり、加齢によるカラダの変化もあって活力は著しく低下、“男の元気”がますます衰えてくる現実があるようだ。
そんな中、なんの根拠も知識もないまま、「まだまだ元気!」と見栄を張り続けている中高年男性の何と多いことか! このままでは本当に“役立たず”になってしまう恐れも。また、それよりも怖いのが、独学と周囲のいい加減なアドバイスから得た雑学程度の知識で正しい治療を行わず、国内未承認の「海外輸入薬」を使用すること。実際、健康被害があったとして、厚生労働省から注意喚起が出されたケースもある。
では、このような“男の沽券にかかわる”問題に、我々中高年男性はどう対処していけばよいのだろうか。その道筋をみていこう。
◆男のプライドが潜在的な患者を増やす!? こんな経験があれば、あなたはすでに……!
冒頭で述べたような、中高年男性にとっての深刻な問題の一つが「ED(勃起不全)」。だが、その定義は一般的な認識とは相当な思い違いがあるようなのだ。それが「完全な機能不全」という思い込み。イースト駅前クリニックの大久保直樹院長は、次のように話す。
「硬さや持続力、回復力などが基準となりますが、『昔と違う……』と感じたらそれはEDといっていいと思います」
ということは、パートナーとのコミュニケーションが可能だったとしても、定義的には“不全”なときもあるということ。例えば、7~8割のパワーしかなかったり、2回が1回になったりすることもそう。「ヤレた!から自分は違う」ということではないのだ。実はそうしたケースを含めれば、「潜在的な患者はかなり多い」という。とかく中高年男性はプライドが高いといわれるが、まずは“実感”としてそれを認めることこそが、男女関係を充実したものにし、満足感を得るためには大切といえるだろう。
◆国内での承認薬は3種類! それ以外は安全性に疑問が残る海外未承認薬という現実
さて、衰えを自らが認めたとして、その治療では「ED治療薬」を服用することになる。海外を含めれば数多くの治療薬があるが、国内において厚生労働省が認めた「承認薬」は3種類。医療機関での処方が必要となる。そう聞くと、治療へのハードルは一気に高くなる。
「もともと日本の文化が性の問題を陰湿なものと捉える傾向にあって、医療機関で治療を受ける感覚がないように思います。また、そうした問題を深刻なものとせず、『薬に頼らなくても、まだどうにかなる!』と思っている男性もいて、その結果、疾患として捉えられず、即治療に結びつかない現状がある」(前出・大久保院長)
そんな状況の中で、流通しているのが海外からの「未承認薬」だ。実は、中高年男性は未承認薬に手を出しやすい環境にあるという。いったいどういうことなのだろうか。
◆未承認薬に手を出しやすいのは中高年男性!? 危険なワナに陥る理由とは?
中高年同士の会話ともなると、健康に関する話題が多くなるのは実感としてあるだろう。その流れで自身の衰えや治療薬について話すこともあり、「実際に飲んでいる友人から試しにもらった」なんて経験があるかもしれない。実はそれが、海外のドラッグストアで買ったものだったり、インターネットによる個人輸入によって手軽に手に入れたものだったりというのはよくあるケースという。そして自らも、海外から安価でED治療薬を購入するようになるのだとか。
そんな海外からの未承認治療薬について、大久保院長は「健康被害、場合によっては命にかかわることもある」と警鐘を鳴らす。というのも、成分やその量など、薬剤に何が入っているかは「まったく分からない」からだ。たとえ成分表が入っていたとしても、「簡単に偽造できる」という。品質管理態勢も不明だ。それは、国内承認薬と同じ名前で販売されていたとしてもだ。実際、国内でED治療薬を製造・販売している4社(ファイザー製薬、バイエル薬品、日本新薬、日本イーライリリー)合同で行った2016年の調査では、国内外発注分ED治療薬の約4割が偽造医薬品だったことが判明している。
◆自己判断での服用は危険! 海外未承認薬のもっとも怖い理由とは?
未承認薬が危険なのは、その品質だけではない。医療機関の担当医による診断がないことがもっとも怖いのだ。
「中高年男性の衰えの原因ともなる高血圧、糖尿病、脂質異常症、痛風などの持病があり、常備薬を服用しているケースなどでは、飲み合わせによっては健康被害が出ることもあります。また、薬剤の量や飲み方なども、知識がないと危険です」(前出・大久保院長)
その意味でも、海外からの個人輸入による未承認薬は絶対に手を出すべきではない。患者本人の状態を適切に判断した上で正規の国内承認薬を処方してくれ、知識と飲み方の説明を受けられる医療機関を受診することが、ED治療を行う正しい道筋といえるのではないだろうか。
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