NHK朝ドラ「あまちゃん」の評判がすこぶるいい。ヒロインは1953人の中から大抜擢された能年玲奈。女優としてはほとんど新人ながら、現場スタッフから視聴者までをアッと言う間にメロメロにしている。そんな彼女の知られざる素顔に迫った。
「この作品が始まって以降、朝から実に気持ちがよくて爽快です」
そう語るのは、芸能評論家の肥留間正明氏だ。いつもは辛口の同氏だが、4月1日から始まった能年玲奈(19)がヒロインを演じるNHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」に関しては、口元がほころぶ一方なのだ。
「今までの連続テレビ小説にはないテイストを感じます。人気脚本家の宮藤官九郎氏の脚本がすばらしく、タッチが軽妙で疲れず、バカらしさあり、輝くところあり、泣かせるところありで『明日はどうなるんだろう?』と、思わず期待してしまう内容です」(肥留間氏)
物語は、引きこもりがちな高校2年生の天野アキ(能年)が、夏休みに母の故郷である岩手県の北三陸を初めて訪れ、さっそうと海に潜る海女の祖母(宮本信子)の姿に衝撃を受ける。
以来、海女に憧れたアキは、母(小泉今日子)の反対を押し切り、生まれ育った東京を離れ、漁村で暮らし始める。毎日海に潜り、厳しい指導を受ける一方で、豊かな大自然の中で笑顔を取り戻していく。そして、その笑顔が地元の人々の活力となり、やがてアキは地元アイドルとして町おこしのシンボルになっていくという話だ。
作品のクオリティはすぐに数字にも跳ね返り、初回の平均視聴率が20.1%と、06年の「芋たこなんきん」の20.3%以来、7年ぶり13作ぶりに20%超えを記録したのだ。
スポーツ紙芸能担当記者も、こう驚きを隠せない。
「しかも、その後も高視聴率をキープ。驚いた時に発せられる『じぇじぇ!』という地元の方言は、すでに今年の流行語になりそうな勢いです」
その中心で輝きを放っているのが、ヒロインを演じる能年なのだ。
アイドル評論家の北川昌弘氏はこう評する。
「ひと言で言うと“ピュア”。子供っぽく見えるうえに、少年ぽさも兼ね備えている。芸能界でやっていけるのかと思わず心配してしまうようなタイプです。見ている男性陣に『俺が守ってやらなければ』と思わせる無防備さを持っています」
能年にインタビューをしたことのある芸能ライターはこう話す。
「1つの質問をするたびに『はっ!』と口に出しながら我に返り、背筋をピンと伸ばして答えるんです。しかも、黒目がちなキラキラした瞳をキョロキョロさせながら上のほうを見上げ、しばらく考え込む。数秒間、時には数十秒間考えたあとにゆっくりと自分の言葉で一生懸命答えるんです。コミカルでかわいくて。業界内でも、『ダイヤの原石が発見された』と話題になっています」