それだけではない。一連の吉本のトラブルで露呈したのは、「背広組」と呼ばれる吉本幹部と芸人たちの、意外に深刻な軋轢ぶりだった。
「中でも、岡本昭彦社長(52)が闇営業問題を受けて行った今年7月の5時間に及ぶ記者会見でのグダグダな対応に、SNS上を中心に所属芸人たちからは批判の声が噴出。今のところ、極楽とんぼの加藤浩次(50)だけが結んでいるエージェント契約締結も追従者が出るとみられていて、6000人と言われる芸人の管理に経営陣は頭を悩ませているのが実際のところ。問題を先延ばししたにすぎない」(放送作家)
つまり、他ならぬ芸人と「背広組」のクッション役を買って出たのが、松ちゃんだというのである。振り返れば、闇営業問題のさなかの7月21日の「ワイドナショー」(フジテレビ系)では、
「吉本内に『松本興業』じゃないですけど僕の部署を作ってくれと。やらかした子たちやイエローカードの子たちを俺が引き取るから。保証人になるから、ちゃんと生かしたってくれ」
と言い放ったが、まさにこの案が実現する公算が高くなっているのだ。
「現在、会社側で芸人とのパイプ役になっているのは藤原副社長ですが、限界があることは会社側も承知している。そこで松ちゃんに会社的にも対外的にもわかる形で権限を与えて、芸人をハンドリングしてもらいたいという思惑があるようです。すでに吉本興業ホールディングスに子会社を作り、松ちゃんが社長に就任するという話も浮上。徳井のように不祥事を起こした芸人の身元引受人になったり、専属エージェント契約をした加藤を囲って、今後も干されることがないように安心して仕事ができるスキームを作ることも構想に入っているそうです」(メディア関係者)
宮迫は、明石家さんま(64)の個人事務所「オフィス事務所」が受け入れを表明。このほどさんま主催で盛大な「みそぎパーティー」が行われたが、来年1月には、同じくさんまの舞台での復帰が決定。吉本との関係修復を待って松本が後ろ盾になるという。
「さんまの事務所に入っても営業ができないので、『松本興業』で仕事先を探すことになるでしょう」(メディア関係者)
着々と吉本内で「松本の帝王化」が進む中、松ちゃん自身もここにきて、経年劣化がささやかれているという。
「キー局の番組ではコンプライアンスが足かせになって過激な番組が作れず、理想とするお笑いの限界を感じています。長時間のロケで文句を言うのは前からですが、最近はスタジオ収録の本番前に『しんどいなぁ』とグチをこぼすことも増えました。子供を溺愛していて、『芸人引退』も視野に入れており、子会社が本格始動すれば社長業にシフトするのが既定路線になりそうです」(メディア関係者)
第2ラウンドに突入した巨大芸人組織の再建プラン。「帝王・松本」の引退もチラつき始める中、全員が納得するオチを見つけられる日は来るだろうか。