テリー デビューしてすぐ人気者になったという印象があるけど、実際はどうだったの。
矢部 最初の1年は事務所の電話番なんかをしていましたけれど、グラビアを始めたらすぐに人気が出ましたね。あと当時は、グラドルがテレビで使ってもらえる時代でしたし。
テリー それだけじゃないでしょう。かわいいし、おしゃべりもうまかったもんな。さぞかしモテたんじゃないの。
矢部 いえいえ、若い頃は友達もいなかったですし‥‥。今のほうがモテてます、なんて。自分で言うのもなんですが(笑)。
テリー とはいえ、彼氏はいたんでしょう。
矢部 私、スタッフキラーだったんですよ。番組のスタッフさんが多かったですね。放送作家さん、カメラマンさんとか。
テリー 俺、一度もそんな経験ないよ、いいなァ。そういうのって、相手から「電話番号教えてよ」なんて言ってくるの。
矢部 ケースバイケースですね、私から誘ったこともありますし。カメラマンの方とは8年続いて、5年くらい私の家で同居していたこともあったんですよ。とはいえ当時は、母と妹2人に弟が一緒に住んでいたんですけれど‥‥。
テリー ええっ、6人一緒に暮らしていたなんて、すごいな。みほちゃんが芸能界で成功したから、みんなスネをかじろうと押しかけてきた感じだ。
矢部 フフフ、毎年1人ずつやって来ました。
テリー 北の国から飛んでくる渡り鳥と同じだな。
矢部 ホント、そんな感じです。でも私は長女ですし、実家の生活事情もわかっていたから「支えてあげないと」と思っていました。
テリー 上京した家族は、みほちゃんと彼との収入で養っていたの。
矢部 そうです。私の家族と5年間ですから、彼も相当きつかったんじゃないでしょうか(笑)。
テリー でも、結局は別れちゃったんだよね。それはなんでなの。
矢部 彼は結婚したかったみたいなんですが、私には全然その気がないので、かわいそうかな、って。そう考えているタイミングで、彼とは別の好きな人ができたんです。だから、ズルズルと関係を引きずる前に別れました。
テリー それはどういうふうに彼に伝えたの。
矢部 ウソをつくのは嫌なので、カメラマンの彼には「他に好きな人ができたから」と、ハッキリ伝えて。
テリー 5年も矢部家の御飯を食べていた人が、そのひと言で別れることになるとは思わなかったろうなァ。きっと彼、泣いちゃったでしょう。
矢部 そこでは泣かなかったんですけれど、彼が家から出ていく時に、お母さんがなぜか彼宛てに手紙を書いて、それを彼の前で読み上げたんですよ。
テリー アハハハハ、やっかいな親だな! 手紙には何て書いてあったの。
矢部 うーん、「8年間どうもありがとう」「こんな娘でどうのこうの」みたいな文章だったと思いますけれど、それを読むお母さんと聞いている彼が、ボロボロ泣いちゃって。
テリー お母さんのほうがみほちゃんよりよっぽど別れを惜しんでいるんじゃないの。その彼、お母さんとつきあえばよかったのに。
矢部 いやいや、絶対に嫌がりますから(笑)。