テレビ東京の看板番組のひとつ「元祖!大食い王」の最新回が1月12日に放送された。久しぶりの放送に大食いファンの期待が高まったが、放送終了後は大ブーイングが寄せられている。
「理由は番組の予告で大食いレジェンドの小林尊氏が出場するかのようにアオったのに、実際はゲストとして出演。解説を行っただけだからです。レジェンドの大食いが見られると期待していたファンから、不満の声があがりました」(テレビ誌ライター)
小林氏はアメリカで開かれた早食い大会「ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権」で6連覇を達成した大食い界のスーパースター。番組で伊集院光は「野球で言うならイチロー」と紹介している。王者のマックス鈴木氏は小林氏が登場した時、涙を流して喜んだ。大食いファイターとして文句なしのヒーローだ。
2000年に放送された「TVチャンピオン」(テレビ東京系)の大食い選手権に小林氏は初出場。王者・エンペラー岸氏と女王・赤阪尊子さんを破って王者に輝き、「プリンス」と呼ばれた。01年にはネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権に、TVチャンピオンのはちまきを巻いて出場。それほど番組と蜜月な関係だったが、00年代前半のある時を境に大食い王に出演しなくなっている。
「なぜ大食い王に出場しなくなったのか。テレビ東京が専属タレントのように扱ったからだと小林氏はブログで明かしています。他のテレビ局の番組や大会に出演する場合は、テレ東の許可が必要だと言われたとか。これを嫌った小林氏は番組出演をやめ、活動の拠点をアメリカに移しました」(前出・テレビ誌ライター)
17年にはツイッターで〈テレビ東京の大食い。プロデューサーたちの圧力。他のテレビ局になかなかでれない現役フードファイターはどんな思いでいるんだろ〉と投稿。番組を批判したこともある。そんなレジェンドが様々な問題を乗り越えて、番組に出演したのである。視聴者が小林氏の大食いに期待するのも当然で、批判はもっともだ。
残念ながら小林氏の大食いは見られなかったが、次回に期待は持たせた。優勝したマックス鈴木氏が決勝戦の後、「過去の最高記録を越えたので、もし気持ちが少しでもあって感じてくれたら、僕はあなたとやりたい」と熱い気持ちをぶつけ、対戦を熱望している。この想いに小林氏は「日本でやることは考えていないが、熱いものをもらったので、自分のモチベーションに変えられたなとは思っている」と答え、含みをもたせた。
大食いファンの願いは、レジェンド小林尊氏と現在の絶対王者・マックス鈴木氏のガチンコ勝負。それが実現する日は来るだろうか。