「池の水ぜんぶ抜く大作戦」や「家、ついて行ってイイですか?」など、名企画の番組を次々と世に送り出し、「企画のテレ東」とまで言われたテレビ東京。「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は、他局が類似の番組を放送するきっかけとなった。
だが最近は、その圧倒的な企画力に翳りが見えてきた、との指摘も少なくない。6月18日の「土曜スペシャル」(テレビ東京系)で放送される番組にも、疑問の目が向けられているのだ。
それは「ニューヨークの入浴旅」。お笑いコンビ「ニューヨーク」がすごろく形式で温泉施設をめぐる企画だというのだが、
「テレ東の旅番組としては、よくある企画と言わざるをえません。しかも『ニューヨークが入浴』という、今どきオヤジでも言わないようなダジャレのタイトル。これでは目の肥えたテレ東旅番組ファンからブーイングが出ても仕方がないでしょう」(テレビ誌ライター)
近年、土曜スペシャルはぺこぱ、かまいたち、見取り図など、人気のお笑い芸人を起用。安易な企画が増えたと指摘する声もある。テレビ誌ライターが続けて分析する。
「テレ東は思わず膝を叩いてしまうような絶妙なキャスティングが、面白さにつながっていました。人気が落ち着いたタレントを起用し、企画でカバーしてタレントの魅力を引き出していたんです。太川陽介と蛭子能収も、バス旅を始めた当初は、こんなに人気が出るタレントではありませんでした。それがこうも人気のある芸人を起用するとなると、テレ東でなくてもいいではないか、ということになる。しかもスケジュールが取れない彼らを無理に起用したせいで、わずか1日のロケで撮影することも。それでは企画を充実させようとしても難しいでしょう」
根強いファンの「原点に帰ってほしい」「もっと面白い企画を」という声は届くだろうか。
今後の「土曜スペシャル」のラインナップから目が離せない。