十分に練られたストーリーと演出でありながら、オンエア直後に「予期せぬ事態」が発覚! ドラマにもCMにも、想定外の激艶事件は潜んでいた。
まずはドラマ篇だが、あえて「放送事故を狙った」というのは、昨年3月にオンエアされた「~元気の出るごはん~タチ喰い!」(テレビ東京系)だ。企画を手がけたライターの尾谷幸憲氏によれば、艶ビデオ監督のカンパニー松尾氏が「グラドルを1話完結で撮る」といい、カラミや脱ぎのない艶ビデオのようなものだったとか。
出色だったのは、日本一艶っぽいグラドルとして人気の森咲智美(27)を主演に迎えた回でのこと。尾谷氏によれば、妖艶な既婚女性という設定で、買い物をする後ろ姿では、下にはく肌着のラインくっきりのところを追いかけるという。
「料理をする時は前かがみで、胸がパックリ。さらに料理した物を見て『こんな大きいの、お口に入らな~い』の挑発的なセリフもあって、抗議の電話が殺到しました」(尾谷氏)
以降の再放送やソフト化もなく、狙いどおりの「放送事故作品」となってしまったようだ。
さて、真っ昼間から濃厚シーンの連続となったのが「幸せの時間」(12年、フジテレビ系)だ。不貞がテーマの原作だけに、第1話が始まって2分後には早くも「オフィス内交わり」や「テーブル下の口技を喚起」するシーンが登場。
これに主人公の不貞相手役となる神楽坂恵(38)が、Iカップの膨らみもあらわに、禁断の情事を熱演。
地上波ドラマで、しかも昼の時間帯では久々の快挙だったが、一部で抗議が相次いだ。回を追うごとに、艶シーンは皆無になってしまったが‥‥。
では、真にテレビコードの枠を超えてしまった情愛ドラマは何か? 圧巻だったのは社会現象ともなった「失楽園」(97年、日本テレビ系)だろう。川島なお美(享年54)が古谷一行と不貞の末に心中する既婚女性を演じ、出世作となった。前出の尾谷氏によれば、バストトップも初回からバンバン出して話題になり、最終回は毒入りワインを飲んで最後の交わりに及んで、
「おたがいイッたところで絶命。2つの意味で昇天してしまい、最高視聴率27.3%を記録しました」
川島は再三のベッドシーンに「前張りはしません」との名言を残した。
続いてはCM篇──。記憶に新しいのは、当時16歳の広瀬すず(21)が博多弁でCMに出演した「一平ちゃん夜店の焼そば」(15年、明星食品)だ。男子のからしマヨネーズを奪い「マヨビームかけさせて」とひと言。しぼり終わるとカメラ目線で「全部、出たと?」と問いかける。
明らかに性的サブリミナルであるとして、セリフはすぐに「好きな人、おると?」に差し替わった。
逆に、まぎれもなく確信犯であったのが「立派なきのこ」(13年、ホクト)だ。スーパーできのこを物色する鈴木砂羽(47)に寄り添う謎の男・要潤。まるで出張ホストと有閑マダムのような妖艶なやり取りに苦情が殺到し、わずか1週間で放送打ち切りに。ただし、インパクトは十分に残せたようだ。
こちら本物の既婚女性となった壇蜜(39)は、地元である「宮城県観光PR」(17年)のCMでケチがついた。竜宮城をモチーフに、亀の頭をなで、「上、乗ってもいいですか?」と意味深につぶやく壇蜜。ところが、女性の仙台市長が定例会見でバッサリ。
「女性が見て素直に受け止められないという印象」
動画は無難なものに差し替えられてしまった。
同じく結婚を発表したばかりの柳いろは(29)は、「頂〈いただき〉」(17年)のCMが炎上する騒ぎに。ビールを飲んで「コックゥ~ん、しちゃった」などのセリフが下品とされ、あっという間にオンエア中止。いかにもネット時代を象徴するお蔵入り事件だった。