3月22日現在で、日本国内の感染者が1800人を超えた新型コロナウイルス。その「パンデミックの起点」とされる、中国・湖北省武漢市の様子を伝える「極秘動画」が漏洩・拡散していたことをご存知の方は少ないだろう。この動画、あれほど関連ニュースが流れ続けているにもかかわらず、一切報じられていない。そこに映っていたのは、想像を絶する深刻な現実だった。動画を本誌に提供したジャーナリストが解説する。
「動画は縦長の映像で、わずか30秒足らず。武漢の街を車かオートバイで走行しながら、携帯電話で撮影したものと思われます」
確かに映っているのは道路側から撮った、歩道と商店街らしき街並み。しかし再生後すぐ、その店の軒先に「見慣れない物体」がいくつか並んでいることに気づかされるのだ。
「カメラが近づくにつれ、その一番手前が、あおむけに横たわって微動だにしない男性であることが確認できます。撮影者がスピードを落とさずすぐにフレームアウトしてしまうのですが、続けて並べられているのも先ほどの男性と同じ大きさの物体。青い寝袋のようなものに入っていたり、白いシーツでくるまれていたりする。極めつきは、そこから“足”が出ているものもある。要は、コロナに感染し死亡した遺体を、路上に放置している、まさにその実情を撮影している映像であると思われるのです」(前出・ジャーナリスト)
動画では近代的な構えの商店が居並ぶ、約200mほどの距離を撮影しているが、武漢では外出禁止令が発令されているため、住民の姿は1、2人が確認できたのみ。対して、放置遺体の数は約20体にのぼった。
「活動停止に陥った都市で、葬儀や遺体の焼却にも手が回らないのでしょう。家庭に安置するにも季節は冬、宅内に置けば暖房で腐敗や傷みが進行するはず。それならば外気にさらしておいた方がまだまし、という事かもしれません…」(前出・ジャーナリスト)
文字通り「死の街」と化していた武漢。
「中国政府は3月22日、武漢市で新たに確認された感染者が4日連続ゼロだったと発表。一部移動制限も解除されたとも報じられています。しかし中国では検査で陽性でも発熱、セキなどの症状がなければ感染者として扱われていません。感染のピークは過ぎたのかもしれませんが、実際にどのような状況なのか、不安は残りますね」(前出・ジャーナリスト)
不安のピークはまだ先にあるのか─。
(写真は新型肺炎のイメージ)