政府は4月27日、新型コロナウイルスの感染症法上の扱いについて、5月8日に現在の「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを最終決定した。昨年9月のコロナ対策変更で、持病のない現役世代には医療保険金も支払われなくなり、それでいて受診制限や自宅待機を命じられる「不公平感」しかなかった。だが、新型コロナが5類になることで、
【1】新型コロナに感染したら、治療費を一部負担しなければならない
【2】感染者の自宅待機がなくなる
【3】発熱がある際の受診制限が緩和される(専門外来は除く。受診前に電話確認を)
【4】濃厚接触者の外出制限がなくなる
このように受診制限や外出制限が大幅に緩和され、より新型コロナ前の生活に近づくことになる。
では持病のある人などがゴールデンウィーク期間中に熱が出たり、体調が悪化した場合、どうすればいいか。
まず手持ちの解熱鎮痛剤を飲む前に体温を計り、検査キットでの自主検査をお勧めする。無症状の同居家族やパートナー、あるいは友人に、薬局へ検査キットを買いに行ってもらってもいい(その際には、個々人で感染対策をとってほしい)。
5月7日までは新型コロナの発熱外来が機能している建前だが、これはあくまで建前。祝日対応している医療機関はほとんどない。子供の場合、新型コロナがいったん治ったかに見えて、数週間後に重症化する例が報告されているので、かかりつけの小児科医が外来診察している5月2日までに受診した方がいいだろう。
抗原検査キットで陽性判定が出た場合、居住地の自治体のウェブサイトか都道府県、厚生労働省のウェブサイトの指示に従う。抗原検査キットで陰性なら、夜間休日診療が受けられる可能性がある。事前に電話確認してほしい。
抗原検査キットがなく、手持ちの市販薬を飲んでもどうにもならない場合、最もてっとり早いのがオンライン診療だ。診療後、体調が悪化した場合は、連休中でも往診に応じてくれる医療機関がある。
GWが明ければ、新型コロナはインフルエンザと同様の扱いになるため、オンライン診療で診察を受け、処方薬を自宅に届けてもらえばいい。息苦しい、意識が遠のくなどの症状が出たら、自治体の相談窓口や救急安心センター(#7119)へ電話相談を。
「上記の窓口は連休期間中、パンクする恐れがあるため『眠れないから話し相手になれ』『血圧計がうまく測れない』など、急を要さない迷惑電話をかけるのだけは絶対にやめてほしい」(医療関係者)
厚生労働省は5月8日以降も、発症後5日間は外出を控えるよう告知している。5類移行後は混乱が予想されるため、学校や職場での人間関係にのちのち影を落とさないないよう、連休明けの出勤、登校はまず、勤務先や学校に相談を。休めるようであれば、発症から5日間は自宅で体を休め、その間に改めて受診先を探そう。