いまだ終息が見えない新型コロナウイルス。初期症状としてノドの痛み、痰、声のかすれなどを感じる場合もある。
一般的に、ノドの痛みや声のかすれは、声の出しすぎや単なる風邪など、心配がないケースも非常に多い。ただし、新型コロナウイルスの初期症状や重大な病気のサインにもなりうるので、見分け方を押さえておきたい。
まず、声が徐々に出しづらくなっている場合は「声帯ポリープ」の可能性がある。高い声を出す人や、声をよく使う職業の人は、「声帯結節」といって、ノドにたこができるケースもある。
「喉頭ガン」も、初期症状のサインとして声のかすれが発症する。ノドの動きを支配する神経が麻痺する「反回神経麻痺」で声がかすれるためだ。進行すると息苦しさや呼吸困難などの症状が出る。
他に、首にしこりができる「甲状腺ガン」、進行とともに咳、痰、発熱、呼吸困難などが現れると「肺ガン」の症状かもしれない。
受診の目安は、声がれ、ノドの痛み以外に、発熱や鼻水、くしゃみ、咳、痰など、他の症状があるか、または、声がれが1週間以上続いている場合にも、受診しておいたほうがいいだろう。
もし、痰に血が混じっている、首にしこりがある、息がしづらい、顔の腫れがある、などの場合は、早めの受診を。
受診時には「いつ頃から声がかすれているか」「他の症状はないか」「声をよく使う習慣などはないか」を医師に伝えるといい。
ちなみに、もともと声がれを起こしやすい体質の人もいる。職業上、声をよく使う人や、ノドに刺激を与える、タバコやアルコールを摂取している人は声がれしやすい。このような人は、まずは生活習慣の見直しから始めてみよう。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。