昨秋、約4年半にわたり出演していたTBS系情報番組「ビビット」が終了。以降、真矢ミキが女優業に邁進している。かつて「ヅカの革命児」とうたわれた大女優は挫折を繰り返してきたが、ついに本領発揮の機運が高まってきたのである。
真矢ミキ(56)は今年4月期、石原さとみ主演の連続ドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(フジテレビ系)に出演。新型コロナウイルスの感染拡大により放送延期となっているものの、石原の上司役を好演して、スタッフの間で話題となっている。夏にはミュージカル出演が控えるなど、キャスターを降板して以降、本職である女優としての活躍の場を広げているのだ。
そればかりか、現在の真矢はそれ以上の重責を担っている。
2月3日、東京・日枝神社で行われた「節分祭」に所属事務所「オスカープロモーション」の後輩女優・井頭愛海(19)を連れ立って参加。今年の抱負を意欲的にこう語っていた。
「来て欲しい福は、役者ですから、どんどんいろんな人の人生を演じたいと思っている。だから、いろんな役が福に背負われてやって来ないかなと思っています」
グレーの着物姿で豆をまくその凛としたたたずまいは、集まった多くの人たちを魅了した。スポーツ紙芸能デスクが語る。
「真矢が15年から所属する『オスカー』は近年、大量の社員が辞める騒動がありましたが、ここにきて看板女優の米倉涼子(44)をはじめ、忽那汐里(27)、岡田結実(20)、ヨンア(34)など所属タレントの退社も相次いでいる。そうした中、人気、実力はもちろん、性格もよく、努力家として知られる真矢には、救世主として期待が大きくなっているんです。娘ほど年の離れた後輩女優との『共演』も、井頭の後学のためのお目付け役ともっぱらです」
要は、女優にとどまらずバラエティーや情報番組にも対応できるバイプレイヤーの真矢が、事務所の完全な中核に躍り出たというわけだ。そもそも好感度は高く、「KOSE」「パナソニック」「ライオン」など、長きにわたって数多くのCMに引っ張りだこである。
とはいえ、米倉の穴を埋めるほどの大役を課せられるとは‥‥、違和感を覚える向きもあるかもしれない。
「いや、真矢の魅力は、なんといっても振り幅の広さです。役柄で言えば、母親役からクラブのママ、デキる上司など、演じられる幅がとにかく広い。そのベースは宝塚時代ですよ。古い慣習を打ち破り、新たなスター像を確立したことから『ヅカの革命児』と呼ばれた。現在のイメージ以上に、宝塚出身で言えば彼女は黒木瞳(59)や天海祐希(52)を凌ぐ大女優なんです」(スポーツ紙デスク)
真矢は宝塚ファンだった母親の影響もあり、幼い頃から宝塚に憧れ、中学卒業後、79年に難関の宝塚音楽学校に合格。入学当初の成績は下から3番目と決して優等生ではなかった。しかし、入学後にバレエや歌などの実力を磨く一方で、自身の個性を追求。81年の宝塚歌劇団入団後は同期の黒木や涼風真世(59)らと切磋琢磨し、これまでにない個性的な男役として頭角を現した。そして95年、ついに「花組」のトップスターに昇り詰めたのだ。