テリー そんな話を聞けば聞くほど、デヴィ夫人が「世界の果てまでイッテQ!」みたいな番組でバラエティータレントとして活躍しているのが不思議でならないんですよ。そもそも、ああいった番組には何がきっかけで出るようになったんですか。
デヴィ テレビは昔から出ていたんですが、その頃はインタビューばかりでしたから。美川憲一さんとのご縁で、20年くらい前に「愛する二人別れる二人」と「壮絶バトル!花の芸能界」という番組に出るようになったのが、きっかけになった最初ですね。
テリー ああ、どっちも出演者同士が激しく言い争うトーク番組ですよね。
デヴィ そうです。当時ニューヨークに住んでいたんですが、「私が出ると(番組の)視聴率が上がる」ということで、あちらと東京を何回も往復するようになってしまって。だったら、とホテル住まいをやめて、一軒家を借りることにしたんです。
テリー なるほど、そこからテレビでのデヴィ夫人の活躍が本格化することになると。
デヴィ しばらくしてからある日、スポーツ紙を広げたら、ある記事に「タレント・デヴィ夫人」って書いてありましてね。「えっ、私、タレントなの?」「人からそういうふうに見られているんだ」って。最初はすごいショックでしたよ。
テリー でしょうね。今まで聞いてきた話とは真逆のイメージですから。
デヴィ でも、その日の晩に考えたんですよ。「私は今まで普通の日本人が絶対に行けないところ、見られない社会、会えない人に会ってきた。これ以上同じ生活を続けても、恐らく得られるものは変わらないだろうな」って。だったら、これからはもう楽しくタレントとして生涯を全うすればいいんだ、と。
テリー 偉い! 過去にこだわらず、そこまで柔軟に考え方を変えるってなかなかできないですよ。やっぱり意識が高いんですね。でも、バラエティーだとけっこうムチャな注文もあったりするんじゃないですか。
デヴィ 私、よく「体を張っている」と言われるんですが、それ、すごく嫌なんですよ。いろんなことにチャレンジするのは、楽しいからなんです。そもそも同じ人間なんだから、「あの人にできて、私にできないはずがない」って思いますから。
テリー フフフ、負けず嫌いだなァ。
デヴィ 例えば、イルカに乗るロケに行ったとしますでしょう。
テリー えーっ、そんなことまでやっているんですか。
デヴィ 最初に見た時には「こんなこと、できるもんか!」だったんですよ。でもインストラクターが女性でしたし、「彼女も最初からできたわけじゃない。だったら、私もやってみたい」と思って。結局、挑戦して3日目で乗ることができたんですよ。
テリー そういう時に「年も年だし」なんてことは思わないんですか。
デヴィ それは全然思わないですね。「自分は年を取ったな」と思うのは、何かに挑戦する、挑むっていう気持ちがなくなった時なんでしょうね。
テリー そうか。さっき「考え方を変えた」と言ったけど、そうじゃなくて、一つの生き方を貫き通していたんですね。じゃあ1年延びちゃいましたけれど、ぜひオリンピックの聖火ランナーにも挑戦しましょうよ。
デヴィ アハハハハ、お声がかかったら、ぜひとも。