野球でボールが燃えると言えば漫画の中のお話しだ。アニメ番組〈巨人の星〉では、主人公の星飛雄馬の瞳は試合中いつもメラメラと燃え盛っていて、投じられた球が炎のようになって、地を這うシーンを何度も目にした。それだけ豪速球だという例えである。
清原和博氏が元プロ野球選手の片岡篤史氏のYouTubeチャンネル〈片岡篤史チャンネル〉に出演、現役時代に対戦して驚嘆するほどにすごかったピッチャーについて語ったのは、4月28日投稿回でのことである。
「対戦したピッチャーで(すごい)3人て言うたら?」
と片岡氏に問われた清原氏は、
「ルーキーの時感じたのはやっぱり村田兆治さん、山田久志さん」と答えた。村田氏のフォークボール、山田氏のシンカーは高校時代に見たことのないボールで驚いたのだという。
「オレ、プロ入って1番どういう球に苦労したかと言うと、フォークボールなんよ。オレらの時代フォークボールなかったやん、高校生が」と、村田氏のフォークボールを野球盤の「消える魔球」なみに落ちたと振り返った。また、プロに入り、フォークボールに慣れてきてもなお、メジャーリーグで2度もノーヒットノーランを達成した野茂(英雄)のフォークには手こずったと語った。
「巨人行ってからのイメージあるピッチャーはいませんか?」
片岡氏がこう訊ねると、清原氏はセ・リーグは真っ向勝負する選手が少ないとしながらも、
「唯一速球勝負してくれたのは、藤川球児!当たれへんかったな。火の球ってつけたのオレやからね」
と、打者の手元でホップするように伸びるストレート、藤川の代名詞とも言える〈火の玉ストレート〉の名付け親だと豪語した清原氏だった。
一度、片岡氏のチャンネルに藤川を招いてほしい。そして清原氏との対戦の感想など聞いてみたいものだ。
(ユーチューブライター・所ひで)