NHKでは、朝ドラ「エール」が2カ月半ぶりに撮影再開した。それでも先行きは不透明のようだ。
「放送の開始時期は未定で8月中も厳しいかもしれません。高画質の4Kで制作しているので、今までより撮影や編集に時間がかかるんです」(NHK関係者)
さらにコロナ禍でピンチなのは、話題の歌唱シーンだという。
「歌手を目指している音を演じる二階堂ふみ(25)の歌う場面が評判で、ネット上でも注目を浴びていました。しかし、飛沫感染の防止を考えれば、この先どう撮影すればいいのか‥‥」(NHK関係者)
大河ドラマ「麒麟がくる」は、6月30日に渋谷の放送センター内のスタジオで撮影が再開されたばかりだ。
「合戦シーンは先まで撮っているので喫緊の課題ではないのですが、今後は室内で対話の場面が増え、門脇麦(27)や川口春奈(25)なども、ソーシャルディスタンスを保って、バストアップが多用されそうです」(NHK関係者)
新型コロナは秋ドラマにも影響を及ぼしており、7月に放送開始予定だった「ドラゴン桜2」(TBS系)の延期が発表されている。
「ロケで使用許可が出ていた学校の夏休み期間が短縮されたことや、生徒役のオーディションができなかったため、放送は来年になりそうです。このドラマに長澤まさみ(33)も出演予定でしたが、5月に予定されていた初の1人芝居『ガールズ&ボーイズ』も中止になり、女優デビュー20周年は踏んだり蹴ったりになってしまった」(芸能記者)
テレビ朝日の名物ドラマで米倉涼子(44)主演の「ドクターX~外科医・大門未知子~」も、秋クールの枠で決まっていたが、病院施設が使えず、来年に持ち越しになりそうだ。
非常事態のコロナ禍を乗り越えようと、難問山積の現場ではこんなくふうが行われていた。
「マスクやメガネタイプのフェイスシールドは顔に痕が残ってしまうのが悩み。観月ありさ(43)が出演している『私たちはどうかしている』(日テレ系)の現場では、首から提げるタイプのフェイスシールドを美術スタッフが特注で作ってくれて。髪型も崩れないし、痕も残らなくてインスタ映えすると好評です」(日テレ関係者)
一方、コロナ対策用のルールを巡り、スタッフの阿鼻叫喚も聞こえてくる。あるドラマスタッフはこう嘆く。
「東京は感染者数が増えてイメージも最悪なので、地方のロケ先はほとんどNG。今まで使用していたマンション内の撮影もスタッフが多く集まるのを懸念して、住民から『来るな』と苦情が届いています。コロナの影響で広告収入が減る中、対策費用はどこの現場も1000万円オーバーという話も。現場では何かに触るたびに消毒ばかりで疲労困憊、それでも新型コロナの陽性が発覚すれば一発アウトです。手探りで制作は続いていますが、何が正解なのかわかりません」
撮影再開したドラマ現場は、早くも「非常事態宣言」が発動されているようだ。