テリー そういえば蛭子さん、去年本を出したでしょう。僕、読ませてもらったんですよ。そのタイトルが「死にたくない」でしたよね。
蛭子 あぁ、そうですね。
テリー 僕ね、やっぱり蛭子さんがスゴいなと思ったのは、高齢になると、みんな死に対する本を出すじゃないですか。その中で「死にたくない」って、いちばん素直でわかりやすいですよ。医者とかお坊さんとか大作家とか、いろんな人が死についていろいろ言ってるけど、いちばん胸に刺さったというか、「そのとおりだよ」って思いました。
蛭子 ホントですか。ありがとうございます。
テリー 当たり前ですけど、死にたくないですよね。
蛭子 そうですね。ふだんからよく「死にたくない」っていうことは考えてます。とにかく死んだら終わりなんで。
テリー 死なないためにはどうすればいいですか。
蛭子 やっぱり、生きるためにはお金を稼がないといけないので。いっぱい稼ぎたいです。
テリー でも、もう、けっこうたまってるんでしょ。
蛭子 いや、貯金はほとんどないです。
テリー そんなわけないですよ。だって最近はギャンブルもやらず、無駄遣いしてないんですから。
蛭子 そうなんですけどね。なんでだろう。昔、ちょっと遊びすぎちゃったかもしれないですね。
テリー じゃあ、これからはたくさん働いて、たくさん稼ぎたいと。
蛭子 そうですね。それはすごく思ってます。
テリー でもね、そうするとさっき言った「漫画を描くのがめんどくさい」と矛盾しませんか。
蛭子 ヘヘッ、そうですね。
テリー それはどうしましょう。
蛭子 どうしたらいいですか。
テリー 知りませんよ(笑)。やっぱりギャンブルで稼ぎますか。
蛭子 でも、もうギャンブルは儲からないことがわかってますから。俺、ほとんど負けてるんですよ。
テリー 今までにどのぐらい損してるんですか。
蛭子 さぁ‥‥まぁ、でも5000万円ぐらいはいくのかなぁ。いやもっと負けてるかもしれないですね。
テリー 1億?
蛭子 かもしれないです。
テリー 一度に遣う金額が多いんですか。
蛭子 どうなんですかね。例えば、イベントで呼ばれて競艇場に行くじゃないですか。そうすると、もらったお金の半分は取っておいて、残りは遣います。
テリー あ、そうなんだ。じゃあ、営業ギャラが30万だとしたら、15万はギャンブルに。
蛭子 う~ん、でも、もらう金額がそんなに多くないんで。でも、やっぱりギャンブルをやらない人からすると、もったいない話ですよね。
テリー いや、いいんですけどね。それで人生楽しかったら。
蛭子 でも、もし人生をやり直せるとしたら、もうギャンブルはやらないと思います。
テリー えぇ、ウソでしょう。
蛭子 いや、よくわかんないですけど。マネージャーが競馬が好きで、勝率がすごくいいんですよ。だから、すごくうらやましくて。
テリー あ、そういうこと。じゃあ、儲かればやるんじゃないですか。
蛭子 そうですね。でも、ギャンブルをやったのは間違いだったかなとは思ってます。あぁ‥‥でも、やっぱり儲かる人がいるから、そう思うだけかなぁ。自分でもよくわからないです。
(アサヒ芸能9月24日・10月1日合併号「天才テリー伊藤対談」=3=)