●ゲスト:蛭子能収(えびす・よしかず) 1947年、熊本県生まれ。73年、「月刊漫画ガロ」で漫画家デビュー。「劇団東京乾電池」の舞台出演を機に、その特異なキャラクターを生かし、多くのバラエティー番組やテレビドラマで活躍。2007年スタートの「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」(テレビ東京系)が大人気に。近著には「蛭子能収のゆるゆる人生相談」(光文社)、「ひとりぼっちを笑うな」「死にたくない 一億総終活時代の人生観」(ともにKADOKAWA)など。今年7月放送の「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系)に出演、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の合併症であると診断された。
その特異なキャラクターでバラエティータレントや役者としても大活躍の漫画家・蛭子能収氏。2020年7月、医療番組に出演し、軽度の認知症と診断されたことが話題になった。しかし、つきあいの長いテリーにはある疑いが‥‥? 天才テリーによる特別検診がスタート!?
テリー 蛭子さん、認知症になったって、あれ、ウソなんでしょ。
蛭子 え、認知症? あぁ、何かちょっと病気っぽくはなりましたけど。
テリー 7月に放送された「主治医が見つかる診療所」で軽い認知症と診断されて、それがネットニュースでも話題になったじゃないですか。
蛭子 あぁ。
テリー これ、マネージャーと組んで、話題作りしてるんでしょう。
蛭子 いやいや、そんなことはしないですよ。それは絶対にしない。
テリー ホントかなぁ。だって昔から、いつも蛭子さんはホントとウソがゴチャゴチャだから。
蛭子 そうですかね。
テリー それが蛭子さんが天才たるゆえんですけど。
蛭子 天才? ウソの?
テリー だって今日も2年ぶりぐらいに会いましたけど、何も変わってないじゃないですか。じゃあ、軽い認知症って具体的にはどんな感じなんですか。
蛭子 いや、そう言われると俺もわからないんですけど。何か時々、何だろうなぁ‥‥。とにかく物忘れが増えましたかね。
テリー それは俺もヒドいですよ。今日も朝に何を食べたか、まったく覚えてないし、もう名刺をもらっても人の名前なんて一切覚えられないし。そんなの20年前からだけど(笑)。
蛭子 ハハハハ。だから、俺もそんなに重くは考えてないんですよね。自分では「こんなの、もしかしたら治るかもしれん」と思ってますけど。
テリー いや、治るというか、蛭子さんは才能があって、ちゃんとやりたいこともある人だから、そもそも他人に興味がないんですよ。
蛭子 あぁ、そうですねぇ。昔は多少そういう面もありましたけど、今はあんまりやりたいこともなくなっちゃいましたね。
テリー 例えば普通に暮らしていて、どんなことを忘れちゃうの?
蛭子 うーん、何だろう。何かあったっけ(とマネージャーに聞く)。
マネージャー(以下、マネ)昼間とか、仕事をしてる時はスイッチが入るんで、大丈夫そうに見えるんですけど、夜になると幻視が見えたりするみたいです。洗濯カゴが人に見えたり。
蛭子 いや、そんなに見えてるわけじゃないんですけど。それは、そんなにないですよ。
マネ 自宅のトイレの場所がわかんなくなったり。
蛭子 あ、それは1回だけ。
テリー 例えば「今日あそこへ行った」なんてことも忘れちゃうんですか。
マネ あ、それもあります。
蛭子 あるかな。でも、そんなにヒドいアレじゃないんですよ、病気は。
テリー それはそうですね。だいたい軽い認知症たって、自分はそう思ってないですもんね。だから「認知症ですよね」って質問されても困りますよね。答えようがないもん。
蛭子 そうですね。多少物忘れはあるんでしょうけど、それを認知症というのか、自分ではわかんないですよ。
(アサヒ芸能9月24日・10月1日合併号「天才テリー伊藤対談」=1=)