YouTuber芸人のフワちゃんと言えば、業界の先輩にもタメ口や呼び捨てで話しかけ、それでいて嫌われないという稀有なパーソナルの持ち主。タンクトップに短いスカートという独特なファッションもトレードマークになっている。そんなフワちゃんへの評価が、場所によって真逆になっているというのだ。
10月19日付の「NEWSポストセブン」では、放送作家の山田美保子氏による「フワちゃんブレークで再確認 嫌われないタメ口女性の歴史」という記事を掲載。タメ口キャラで大ブレークした彼女について、過去のお嬢様タレントと比較しながらの分析と考察となっている。これが“ヤフトピ”ことYahoo!ニュースに転載されるとあら不思議、罵詈雑言のオンパレードになったのである。
「ヤフトピでは各ニュースに読者がコメントを付けることのできる“ヤフコメ”が大人気。フワちゃんの記事には4600超ものコメントが付いていますが、その内容は《見ていて不愉快》《常識がなくて失礼》《出ていたらテレビを消す》など、驚くほどに批判コメントのオンパレードとなっているのです。元記事では山田氏がフワちゃんのことを評価しているのですが、ヤフコメでは否定派一色。そのため《このコメント欄が物語っている》《不快に思う人が多数》などと、まるで日本国民全員がフワちゃんのことを嫌っているかのように決めつけるヤフコメ民も多く、その様子は右向け右の全体主義さながらですね」(週刊誌記者)
もちろん芸能界には「憎まれっ子世に憚る」さながらに、世間から嫌われまくっているタレントもいる。ではネット上にはフワちゃんのアンチしかいないのかと思いきや、場所を変えれば彼女のファンがいくらでも見つかるというのだ。
「ツイッターには《フワちゃん可愛い》《面白くて大好き!》といったポジティブな声があふれています。最近では『アイ・アム・冒険少年』(TBS系)で披露した絶対音感に驚きと賞賛の声が集まったほか、金曜レギュラーに就任した『グッとラック!』(TBS系)では池袋暴走事故についてコメントを求められると『苦しいニュース…』とつぶやいて絶句し、大粒の涙を流した場面が話題に。MCの立川志らくが『コメンテーターとしては本当は泣くとダメなんだけど、人としては正しい』と擁護したことも反響を呼び、好感度を大きく上げることとなりました。そもそも彼女が嫌われ者だったらプリングルスやセガがテレビCMに起用することもあり得ないはず。このようにヤフコメとツイッターでは、フワちゃんへの評価が180度違っているのです」(前出・週刊誌記者)
同じネット民のコメントとは思えないほどに対照的なヤフコメとツイッターだが、その違いはどうして生まれるのか。ネット系ライターがその理由を読み解く。
「両者の大きな違いは利用者の年齢層です。ヤフコメのユーザーは30~50代の男性が半数を占め、中でも40代男性が突出して多いことをヤフーが明かしており、オジサンの声を反映したメディアだと言えます。それに対してツイッターでは少し年齢層が高くなっているものの、今でも20代が中心の若いメディア。それこそ26歳のフワちゃんと同世代のユーザーがメインの言論空間となっています。それゆえヤフコメにあふれるフワちゃんディスのコメントは《自由奔放な20代女性を受け入れられないオジサンたち》の声が可視化されたものと言えるでしょう。職場では上下関係にこだわり、若手社員から疎まれているような中間管理職のオジサンたちが《近ごろの若い女はけしからん!》と憤っている姿が透けて見えるかのようですね。一方で、フワちゃんのようなちょっと底の抜けた明るい女性を大好きなオジサンも少なくないのですが、彼らは空気を読んでヤフコメではノーコメントを貫いているのでしょう」
こういったヤフコメとツイッターの違いは2019年8月の「女子SPA」によると、吉本芸人の闇営業に関する報道でも顕著に表れていたという。ともあれヤフコメでの芸能人評は<世のオジサンたちの評価>であると心して読むのが吉のようだ。
(金田麻有)