10月からテレビ朝日の平日深夜の番組が様変わりした。同局の若手プロデューサーやディレクターによるバラエティ番組14本がいっせいスタート。
その中で、木曜深夜に登場したのが、バイきんぐ小峠英二が出演する「ブイ子のバズっちゃいな!」だ。VTuberブイ子と小峠が中国最大級の動画配信プラットフォーム「bilibili」で公式アカウントを開設。番組で制作した動画を投稿していく。
右も左もわからない2人を指南するのが、「bilibili」でフォロワー数260万人、総再生回数13億回超を誇る日本人クリエーターの山下智博氏。「bilibili」で100万回以上視聴された動画を流して、どうすればバズるか研究、その成果を動画にとりこんでいく。
「コロナ禍の引きこもり生活で、すさんだ気持ちの人々が飛びついたのが、お笑い番組でした。今、テレビ界では実は、空前のお笑いブームが来ている。ネタを扱う特番やゴールデンタイムでのネタの新番組も始まり、笑いに飢えた視聴者と明るい番組を届けたい制作者側のニーズがマッチして活況を呈しています。いわゆる『第7世代』芸人の台頭もあり、テレビ離れしていた若者を一気に引き寄せているんです」(テレビ誌記者)
初回放送後、「bilibili」に投稿された同番組は44万1000回も視聴され、「いいね」が4万1000もついた。感想は好意的で、「(紹介する中国の)動画に日本語の字幕を付ければ、2人が理解するのも早くなるし、テレビの視聴者も見やすくなると思います」というアドバイスが多かった。
10月22日の時点で、V子公式サイトには5本の動画が投稿され、すでに9万8000人のフォロワーがつき、2回目の放送も22万5000回視聴されるなど、すっかり大反響となっている。
「動画には、中国語で笑い声がいくつも書き込まれ、画面がまるで見えない盛況ぶり。実は小峠は『bilibili』でもよく知られた日本人。名前で検索すると大量の動画が投稿されているのがわかります。テレ朝で出演中の『超人女子戦士 ガリベンガーV』をはじめ、過去のドッキリ番組などのバラエティ番組、嵐との共演番組など様々な作品がアップされている。往年の名作映画『少林寺』を彷彿させるスキンヘッドの日本人芸人、小峠の“つかみ”はバッチリのようです」(芸能ライター)
第2回放送の最後に、目標は中国語でのコント動画投稿と語っていた小峠。もっとも中国語は初体験で、せっかくの自己紹介動画もカンペ棒読みで、中国語の字幕がなければさっぱりわからない代物となっていた。
中国一の人気を集める日本人お笑い芸人になるには、やはり中国語マスターが一番の早道かもしれない。
(塩勢知央)